23.居心地 ページ24
居心地はいい。
ここの人達に嫌悪感は湧かないし、
何より無駄に干渉してこないのがいい。
「なんで、ですか。
なんでそんなに、私を構うんですか。
私はずっと一人でした。
これからも一人で居る予定でした。
必要最低限しか、人とは接触しない予定でした。
生徒会に入るだとか、
そういうことは、
私の人生計画にはありませんでした。
頭のいい人なら他にもいますし、
貴方達を顔以外の目的、
成績等の目的で入ろうとした人もいる筈です。
私の一つ下の順位の子は、
全て合わせて満点より2点少なかっただけでした。
そういう子もいるのに、
なんで私なんですか。
ハッキリ言うと、貴方達の考えていることが分かりませんし、
何の目的で私を生徒会に入れたのかも分かりません、理解できません。
だから…」
智「そうやってさ、
人と距離を取ろうとするの、そろそろやめない？
俺らのため、とか言いたいんだろうけど、
さっきの言葉、本心じゃないでしょ？
目が泳いでた。
佐貫ちゃんの妹の奏って子。
あの子は姉である佐貫ちゃんが嫌いなんでしょ？
小学生の時、
佐貫ちゃんと仲良くしてた子みんな転校してる。
転校した子の父親が佐貫家グループの系統の会社に転職してる。
しかもかなり儲けてる。
佐貫家の力を持ってさえすれば何とでもなるよね？
けど佐貫ちゃんは慎重派だし、
仲のいい子を飛ばすほど悪い性格はしてない。
ていうことは、
妹の奏が佐貫ちゃんのことを気に入らなくて
飛ばしたって事じゃないの？
で、また同じことが起きるかもしれないから、
俺らと距離を取ろうとしてるんでしょ？」
……
「…知ってるのなら！
…やめておいてください。
私は1人でも構いません。
ですが、生徒会は皆さんじゃないと
成り立たないのではないんでしょうか。」
翔「俺らの親、そこまで馬鹿じゃないよ。
佐貫家の執事かなんかに唆されて地方に行くほど馬鹿じゃないし、
お金もまぁまぁ持ってる。
5人の親がみんな起業家だから、
社長をやめるなんてことは絶対にない。
……安心しなよ。」
……
潤「もし、
そんな馬鹿な決断をしようとするなら、
たとえ親であっても容赦しない。
絶対にとめる。
だから、安心して生徒会入ってよ。」
……どうしてそこまでするのだろう。
…他人なのに。
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作者名：彩瑛 | 作成日時：2018年9月1日 16時
