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夜
?「ねぇ、起きてる?」
…誰?せっかくゆっくり寝てるんだからもうちょっと寝かせてよ。
?「ねぇタコちゃんってば」
…ん?タコちゃん?私のことそんな呼び方する人なんて今のところ先輩だけだよね。
薄っすら目を開ければ、そこには私に馬乗りになりあの人懐っこい笑みを浮かべる先輩がいた。
フ「ねぇタコちゃん、まだ寝てるの?」
えっ、フロイドさん…?なんで私の部屋にいるんですか。
確かに声を出そうとしたのに、体は頭から足の爪の先まで硬直して動かせない。
唯一薄っすらと見える視界には、笑顔のフロイドさんだけが映ってる。
…嫌な予感しかしない!
フ「…起きないなら、″味見″くらいしてもいいよね」
あの時と同じように首元に顔を埋められる。
耳の傍で、頭の中に入り込んでくるような声で囁かれてくすぐったい。
また噛まれる!?ていうかこの人今味見って言わなかった?
やっぱり私のこと食べる気なんじゃ…
いやいや、今はそんなの考えてる場合じゃないし。とにかくどうにか起き上がらないと!
…でも、
フ「ちょっとだけだから、大丈夫だよぉ。…今度は痛くしないから♡」
優しく頬を撫でられて、そこからゆっくりと手は私の顎に添えられた。
ゆっくりとしかし確実に先輩の顔は私に近づいてきていた。
鼻先が触れ合うくらいの距離になって、私は抵抗するのを諦めた。
だって冷静に考えてみれば、どうせ将来誰かに奪われる(予定の)ファーストキスでしょ?
それがこんなイケメン先輩なら別に後になっても悔いなんてないでしょ私。
今まで薄く開いていた目を閉じる。
_けれど、いくら待っても予想していたアクションは一切ない。
『え、あれ?』
もう一度目を開ければ、さっきまでいたはずの先輩はもういなくなっていて、変わりに窓から入り込んだ朝日が部屋を明るく照らしていた。
…あっそっか私、昨日お風呂入ってからすぐ寝ちゃったんだっけ。
えっじゃあ今のって夢!?
『…恥ずかしすぎる!?消えたい!!!』
会って一日目でこんなに意識してたらこれからの学校生活絶対持たない!
主に私の心臓が!!
あぁ私今日から先輩にどんな顔して会えばいいんだろ…
『あ!ていうか今何時!?』
枕もとの充電コードを刺しっぱなしの携帯を確認する。
携帯のアラームは寝ぼけた私が止めたのか、役目を終えてすっかり鳴りを潜めていた。
『…初日から遅刻は流石にヤバいかな』
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ラム - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2020年11月23日 1時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖菓子(プロフ) - よるさん» ありがとうございます…!励みになります(*´Д`) (2020年11月22日 23時) (レス) id: 8b9aaa4e76 (このIDを非表示/違反報告)
よる - よき…(吐血)(歓喜) (2020年7月17日 21時) (レス) id: 68950930bb (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - 砂糖菓子さん» リクエスト書いていただきありがとうございます!うちにある鮫の大きいぬいぐるみ抱えて ん"っ!ってなってました!大満足です!ありがとうございました!! (2020年5月21日 8時) (レス) id: bdf8793398 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖菓子(プロフ) - ゆんさん» ドキドキしてもらえてるようで何よりです…!リクエストもありがとうございます!本編同時進行で書かせていただきますm(_ _)mちょっとディープになるかもしれないんですけど大丈夫ですかね… (2020年5月18日 1時) (レス) id: aa4bfdf71f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:砂糖菓子 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年5月6日 6時