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身構えていた割に痛みは一瞬で、あまり痛みは感じなかった。


あぐあぐと食むように唇を押し当てられる。


首元にかかる息がくすぐったい。


恐怖と共に色々な感情が胸の内でぐるぐる回っている。


フ「ねぇタコちゃん」


『はっ、はい!?』


フ「あ〜」


目の前で大きく口が開かれる、えっホントに食べられるの私。


『…っあ』


恐怖で思わず反復するように開けた口からは情けない声が出た。


フ「ん、いい子いい子」


そのまま静止していると、最後におまけとでも言わんばかりに首元に軽い音を立ててキスを落とされる。


もう泣きたいんだか恥ずかしいんのかわかんない。


フ「ね?痛くなかったでしょ」


機嫌良さそうに子供のような笑う顔とさっきまでの顔を思い浮かべてはみたけど、本当に顔だけ同じの別人なんじゃないかと思う。


『いや、ちょっと痛かったです』


ジェ「ふふっ…」


フ「あははっ!タコちゃんやっぱおもしれー」


混乱しながらも正直に感想を言えば、堪えきれないとばかりに二人は吹き出した。


ジェ「本当に面白い方ですね。…おや、もうすぐ寮に着きますね。」


ジェイドさんの一言で、フロイドさんは私をゆっくり地面に降ろしてくれた。


何だか久しぶりに地面を踏んだ気がする。重力を感じて幸せだと思ったのは陸に上がってこれが初めてだ。


ジェ「私達はこれから用事がありますので、ここで失礼致します。もしお時間があれば是非モストロ・ラウンジへ」


『あっはい、よくわからないですけど今日は疲れたのでまた今度行かせてもらいます。失礼します!』


一息に言いたい事を喋り切って、出せる限りの全力で躓きながらも私は何とか自室に逃げ込んだ。






自室は一人用だけど、かなり広めの部屋だった。


ベッドに飛び込み顔を埋める。


…ホントに初日から散々だったなぁ。


いい先輩が出来たと思ったのに、さっそく初日から本性見ちゃったし、もうちょっと夢見る時間ぐらい欲しかったわ。


ていうか今日会ったばっかりの先輩にすごいことされたんだなぁ私。


先程噛まれた首元は少しヒリヒリしていて、離れた今でもフロイドさんの顔が脳裏に浮かぶ。


『…とりあえずお風呂入ろ』


ゆっくりお風呂に浸かって、それから明日に備えて早めに寝よう。


首の噛跡は…明日になってから考える!




それにしても、あの口開けるのって海で住んでる時に見たことある気がするんだよなぁ。


…何だっけ、忘れちゃった。


うん。早く寝よ。

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ラム - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2020年11月23日 1時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖菓子(プロフ) - よるさん» ありがとうございます…!励みになります(*´Д`) (2020年11月22日 23時) (レス) id: 8b9aaa4e76 (このIDを非表示/違反報告)
よる - よき…(吐血)(歓喜) (2020年7月17日 21時) (レス) id: 68950930bb (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - 砂糖菓子さん» リクエスト書いていただきありがとうございます!うちにある鮫の大きいぬいぐるみ抱えて ん"っ!ってなってました!大満足です!ありがとうございました!! (2020年5月21日 8時) (レス) id: bdf8793398 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖菓子(プロフ) - ゆんさん» ドキドキしてもらえてるようで何よりです…!リクエストもありがとうございます!本編同時進行で書かせていただきますm(_ _)mちょっとディープになるかもしれないんですけど大丈夫ですかね… (2020年5月18日 1時) (レス) id: aa4bfdf71f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:砂糖菓子 | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年5月6日 6時

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