第17話 ページ19
次の日、朝からもやしプリンを製作したが、微妙な味だった。お客様に出せる味になるには程遠そうだ。
夕方になると母に店の接客を頼まれた。本当はもう少しもやしプリンの開発をしたかったのだけど、人手が足りないものは仕方ないと割り切った。
が、私は店の接客をしたことを今とても後悔していた。
店の前に文豪ストレイドックスの主人公達が現れのだ。
「ここ、カフェだぞ。お茶漬けじゃなかったのか? 」
「お茶漬けだよ。このカフェはお茶漬けが美味しいことでも有名なんだ」
「へえ、そうなんですか」
「奢るのはお茶漬けだけだからな、小僧」
中島敦、太宰治、国木田独歩という超メインキャラが勢揃いだ。
私は接客をしながらも三人の会話に耳を傾けていた。
どうやら三人はお茶漬けを食べに来たらしい。そういえば一巻に国木田さんが敦君にお茶漬けを奢るシーンがあった。
でもお茶漬けはカフェじゃなくて、もっと老舗のお店感が漂う所で食べていた気がする。少なくともこういうオシャレなカフェではなかったはずだ。
何で次々に原作キャラという名の刺客が私の前に訪れるの!
ていうかお茶漬けしか食べないならお茶漬け専門店でも行けよ!
敦君とか太宰さんとか国木田さんとかかっこいいけど、私は原作キャラとは関わりたくないんだ。私はモブでいたい。
何でこの店でお茶漬けなんて売り始めたんだろう。お茶漬け美味しいけど、普通のカフェではあまり見ない。
ああ!
私は思い出した。
父親がお茶漬けの開発をしていたのを。
あの時止めてれば良かった。お茶漬けは見るだけで気分が悪くなるくらい嫌いだって言えば良かった。
激しい後悔の念が押し寄せる。
私は接客をしながらも三人の方をチラリと見る。回りを見回す振りをして、さりげなくだ。
ガン見したら怪しまれそうだし、変に思われないように気を付けなければ。
太宰さんとかすごい鋭いし、私が転生者だって気付いたりして。まあ流石にそれはないだろうけど。
敦君は大量のお茶漬けを注文していた。すごい勢いで食べ、空の皿を重ねていく。
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まゆ - 面白かったです^_^ほのぼのしていて、癒やされました^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2017年11月10日 23時) (レス) id: 955180b2fd (このIDを非表示/違反報告)
春音花奏(プロフ) - 二こさん» 誤字の指摘ありがとうございます。誤字ばかりで申し訳ないです。直させていただきます。 (2017年4月26日 18時) (レス) id: 0aa6d15627 (このIDを非表示/違反報告)
春音花奏(プロフ) - くろねこさん» 誤字の指摘ありがとうございます。全然気付きませんでした。なるべく急いで直させていただきます。 (2017年4月26日 18時) (レス) id: 0aa6d15627 (このIDを非表示/違反報告)
二こ - 太宰の一人称は「私」だぞ (2017年4月26日 18時) (レス) id: b637e00f20 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ - 突然のコメント失礼致します。文豪ストレイドックスではなく文豪ストレイドッグスではないでしょうか? (2017年4月21日 19時) (レス) id: c40642156e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春音花奏 | 作成日時:2016年12月24日 16時