16 JA ページ16
-ジアン-
ｽｱ「…一位おめでと。」
「思ってないくせに〜。」
ｽｱ「思ってるわよ。」
「またまた〜。」
アヤがいなくなって、もう10年以上経つ。
彼女は未だに世界を魅了している。
もう、公の場に現れることは決してないのに。
彼女のファンはアヤを待ち続けて、復活を願って。
馬鹿らしいなって最初は少し思ってた。
でも今は、彼女を求めてしまう気持ちも、理由も。
ちゃんと分かるから。
ｽｱ「はいこれ。」
「…ありがと。」
前回一位でセンターだったスアが私に星のブローチを手渡す。
コロンと手に乗っかったそれは、アヤが着けていた初代のものとは違う。
彼女の胸元を何年も飾っていたブローチはちょうどアヤがこの世界から消えた年にどこかに行ってしまった。きっとSM事務所のどこかにはあるんだろうけど、誰もそれを探そうとか、手に入れようとかは思わないみたい。
それもそうだろう。だってあれは…アヤが着けてこそ価値がある。
それをみんな分かってる。
「アヤがいなくなってさ、ずっと私たちでこのグループのセンターに立ってきたよね。」
ｽｱ「…そうね。」
絶対的センターを失ったLuceは、スアと私が毎回センター争いをしている。
今のところ、スアの方が1,2回多いのかな。
「私たちは…二人でも辛いのにね。」
ｽｱ「…っ、」
「アヤは一体どれだけの思いでここに立ってたのかな。」
アヤが抜けて27人。未だに誰も脱退することなくグループを続けている私たち。
専用の練習室であるこの場所。床には27人分の逆三角形のようなフォーメーションを組むための小さな目印のシールが張ってある。そのそれぞれに番号が振ってあり、その番号は順位を意味している。
その頂点。一番前。センター。そこに立って目を閉じる。
「守られてるなんて、あの頃は一度も思わなかったのに。」
失ってから気付くとは、よく言ったものだ。
一位だから、一位なんだから。
その痛みと引き換えに手に入れたものがセンターという立場でしょ。
アヤにかけたことがあるその言葉が今は、自分に向けられて。
「私たち、アヤの一歩後ろで彼女を支えてるつもりだった。」
当時よく言われていた。アヤの両脇を固める二人は最強だと。
この三人が揃えばLuceは圧倒的だと。
そんな言葉に踊らされて。
私たちはきっと、何も見えていなかった。
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あやテテ(プロフ) - ゆうさん» こちらこそ読んでくださってありがとうございます。嬉しいお言葉です…！世界観をとても大切にして書いているので少しでも気に入って頂けたなら幸いです！コメントありがとうございました！ (2021年11月24日 0時) (
レス) @page7 id: df40273254 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございます！感情移入しまくりでたった数時間で読破してしまいましたㅠㅠ素晴らしい作品に出会えて感謝です。 (2021年11月22日 2時) (レス) id: fb6f2e594b (このIDを非表示/違反報告)
あやテテ(プロフ) - かのんさん» おぉ…！それは良かったです！ありがとうございます。これからは過去編スタートです。引き続き楽しんでもらえますように…。 (2021年11月16日 23時) (レス) id: df40273254 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - メンバーに懐く子供達、強い絆、ファン同士の目線とてもおもしろいです！ (2021年11月16日 7時) (レス) id: 81bb9ddb3c (このIDを非表示/違反報告)
あやテテ(プロフ) - 071110rainbowさん» 彼らならどんな言葉をテヒョンさんやアリスちゃんにかけるだろうと想像しながら書きました！いつもの彼らの絆をうまくひょげんできたようで安心です！ありがとうございます。 (2021年11月16日 1時) (レス) id: df40273254 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやテテ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時：2021年11月10日 0時
