11 BA ページ11
──結婚報道後
-ボア-
衝撃的なニュースが世界中に流れ込んできて、私はと言えば、ああやっぱりねって。そんな感覚だった。やっぱり彼は王子様だった。アリスちゃんのたった一人の。
ラジオの収録終わり。今日というこの日も全てを悟ったあの時と同じように、アリスちゃんの王子様と局ですれ違った。
「結婚おめでとう。」
TH「……ありがとうございます。」
かなり驚いたようで、彼は足を止めた。
うん、やっぱりね。彼女と同じ匂いがする。
10年経ってもそれは変わらない。
「聞きたいことがあるの。」
TH「最近SMの先輩に同じように言われました。」
「EXOあたりかな。…ベッキョニとか。」
TH「ひひっ、ご名答です。」
あくまで彼は楽しむつもりなのだろう。
まぁ、その気持ちも分からなくはない。
みんなが心の底から求めていた彼女をたった一人で独り占めしていたのだから。
「やっぱりあなただったのね。」
TH「ボア先輩にはバレてましたか。」
「バレバレよ。…羨ましいわ。」
TH「あれ、まさか先輩にそんなこと言われるなんて思ってもみませんでした。」
「…幸せ？今。」
TH「はい、もちろん！
…ずっと、ずっと欲しかったんです。」
彼の綺麗な瞳が色を変えた。
でもね、私には少し怖く見えたの。
「…あなたは、」
TH「…？」
「あなたはただ、アヤを手に入れたかっただけ？
その優越感に浸りたかっただけ？」
思わず出てしまったその言葉に、彼は表情を変えた。
アイドルをしている彼が普段決して見せることのない、おそらく──裏の顔。
TH「…先輩？」
怖かった。でも、聞かずにはいられなかった。
もし、もしも彼のそれが愛あるものじゃないとしたら。
みんなが欲しがるものを欲しいというような、そんな気持ちだとしたら。
誰も手に入れることのできない彼女を手に入れること、彼にとってそれだけに価値があるのだとしたら。
そう思うととても。
「…あなたのそれは、本当に愛なの？」
聞いてはいけないことだと思った。
もし、私のこの嫌な予感が当たっていたとしたら、最悪だ。
彼が唯一の味方であるアヤにとっては…。
そんなことをぐるぐると考えてる時だった。
TH「やだなぁ。…俺、随分先輩に舐められてますね。」
彼の暖かな瞳が私を捕らえた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1382人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやテテ(プロフ) - ゆうさん» こちらこそ読んでくださってありがとうございます。嬉しいお言葉です…！世界観をとても大切にして書いているので少しでも気に入って頂けたなら幸いです！コメントありがとうございました！ (2021年11月24日 0時) (
レス) @page7 id: df40273254 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございます！感情移入しまくりでたった数時間で読破してしまいましたㅠㅠ素晴らしい作品に出会えて感謝です。 (2021年11月22日 2時) (レス) id: fb6f2e594b (このIDを非表示/違反報告)
あやテテ(プロフ) - かのんさん» おぉ…！それは良かったです！ありがとうございます。これからは過去編スタートです。引き続き楽しんでもらえますように…。 (2021年11月16日 23時) (レス) id: df40273254 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - メンバーに懐く子供達、強い絆、ファン同士の目線とてもおもしろいです！ (2021年11月16日 7時) (レス) id: 81bb9ddb3c (このIDを非表示/違反報告)
あやテテ(プロフ) - 071110rainbowさん» 彼らならどんな言葉をテヒョンさんやアリスちゃんにかけるだろうと想像しながら書きました！いつもの彼らの絆をうまくひょげんできたようで安心です！ありがとうございます。 (2021年11月16日 1時) (レス) id: df40273254 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あやテテ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時：2021年11月10日 0時
