メンバー内短編集

中間ん家物語 ページ1

ともこは女装している設定です。
本名は中間ともひろ。男の子です。


ともひろside

俺が女装を始めてどれくらい経ったんやろ…？

少なくとも10年は経ってると思う。

大ちゃんが産まれる前からやってたはず。

やから俺が男って知ってるのはお母さんとお父さんと崇裕兄ちゃんだけ。

こんなガタイいいのに何で気づかへんのかが不思議やけどな。


照｢ともひろ、どないしたん？｣

と｢ううん、なんでもない｣


俺にだけ見えるお父さん。

お父さんだけは俺の事をともひろって呼ぶ。

お父さんにも俺はもうともひろやなくて、ともこやからともこって呼んでほしいって頼んだんやけど、

｢ともひろは俺の自慢の息子や。俺がともひろって呼ばへんかったら誰がともひろって呼ぶねん。俺は絶対ともひろを消させへんからな｣

って言われて今もお父さんは俺をともひろって呼ぶ。

俺をともひろとして見てくれる人がおるんやって思うと嬉しかったけどな。


照｢あ、そろそろ時間ちゃう？｣


部屋の時計を見ると16時を指していた。


と｢ほんまや。藤井さん迎えに行かなあかん｣


俺は女装をして後悔はした事ない。

自分を偽れるし、中身のないともひろとは違って、ポジティブで可愛いともこを演じれるから良い事だらけ。

ともこになったおかげで藤井さんっていう好きな人も出来たし、ともこになってほんまに良かった。


照｢じゃあ俺も淳子の邪魔する藤井を見張りに行こかな！｣


鏡を前にウィッグがズレていないかを確認する。

メイクも崩れてへんし完璧やな。


と｢よし、お父さん行こか｣

照｢おん！｣



今日も俺は藤井さんに愛を送ります。

いつか振り向いてくれると信じて。


end

かわいいのは…→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す