因果 ページ8
・
謙信「伊勢....」
影家様の背中で意識を失っていた謙信様が目を覚ました。
詩乃「！！！謙信様！！」
謙信「怪我は....？」
詩乃「いいえ....」
謙信「泣いているではないか...」
謙信様は私が溢した涙をそっと拭ってくれた。
そして、そっと引寄せ抱き締めてくれた。
謙信「不安だった...助け出せないかも
と....」
詩乃「・・・私は...ﾋｸ！
.......ﾋｸ！」
目の前で愛する人が刺され、弟のように思っていた春吉が私をかばって殺された。
そして、友が斬られ怪我をしたのに逃げ出した。
そんな恐ろしい出来事で混乱した心は落ち着く気配はなかった。
謙信「....よかった...
怪我もなく傷つく事もなくて...」
無事を確認するかのように私を見つめ､謙信様は力なく笑った。
詩乃「...謙信様が深傷を負いました...」
謙信「..因果だ...
伊勢は無茶がすぎる...私をかばう
とは...
これは、私が受けなければならない
因果だ...」
詩乃「...私さえ居なければ！」
謙信「もう、なにも言うな！
伊勢が無事ならそれでいい...」
謙信様は、意識を落としていった...。
・・・・
この後、日粕さん達と一緒に宿場町まで帰ってきた。
武田軍は信玄様の負傷と日粕さん達が、食糧庫に火を放った事で、軍を引き上げざるえなくなった。
日粕「伊勢姫...少し休まれた方が良
いかと..
私が代わります。」
詩乃「・・・大丈夫よ...」
謙信様が傷を負って3日、まだ目を覚まさずにいた。
日粕「..しかし、景虎様が目覚めた時、
その様なお顔では心配されると思いま
すよ。」
詩乃「そんなにひどい顔をしている？」
日粕「はい。それはもう...」
詩乃「ﾌﾌ...。日粕さんは！
少しは遠慮して言うものよ...」
日粕「えっ！あっ！すみません！
そういうことには疎くて...」
日粕さんの人柄なんだな...
人を和やかにしてくれる...
詩乃「ありがとう...少しお願いします。」
横になって目を閉じる....
詩乃「....はあ！」
あの日の恐ろしい光景が目に浮かぶ....
何度、こうして目を覚ましたことだろう...
やはり、横になっているのも辛く、出掛ける事にした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
KOHKU(プロフ) - コメントありがとうございます。戦国時代の恋の行方はもう最終章に入っていきます。続編も考えています。読んでもらえると嬉しいです。 (2021年1月26日 19時) (
レス) id: 0bb67776f8 (このIDを非表示/違反報告)
ここな(プロフ) - こんにちは！歴史には全く詳しくないのですが、昨日から一気読みで読ませてもらいました！これからも楽しみにしてます。他の作品も時間のあるときに読むつもりです。ヾ(*´∀｀*)ﾉ (2021年1月26日 15時) (レス) id: 01920890a3 (このIDを非表示/違反報告)
KOHKU(プロフ) - 励ましコメントありがとうございます。今回のアップ出来なくなった時は、焦りました。頭の中の物語を、楽しんでもらえていることが知れて嬉しかったです。他のサイトからの励ましコメントももらえて、この作品をコツコツと綴って行ければと思いました。 (2021年1月19日 20時) (レス) id: 0bb67776f8 (このIDを非表示/違反報告)
よっしー - こんばんは。「また君を探す 2」の方でコメント送らせていただいたものです。いつも素敵な夢小説をいつもありがとうございます！毎日読ませて頂いております。これからも応援しておりますので、どうか無理のない範囲で頑張ってください！ (2021年1月19日 17時) (レス) id: 56a87d2e69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：KOHKU | 作成日時：2021年1月18日 19時
