強固たる後ろ楯 ページ38
・
柿崎「景虎様....
お話があります....」
晴景兄上と義兄上の政景殿の動きや、二人を誘導している者の影がちらついている事を柿崎に探らせていた。
謙信「それで？....」
柿崎「はい。
やはり政景様が晴景様に色々と助言さ
れているのは間違いありません...
そして、その政景様をそそのかしてい
るのは、やはり黒田が怪しいようです。
黒田はなかなかの策略家...
尻尾を出さず上手く隠れています。
しかし、必ず尻尾を掴んでみせます！
そこで....
景虎様に会っていただきたい方が...
承諾頂ければ、すぐにでもお会いして
いただく場をもうけます。
黒田や政景殿が、動き出す前に先手を
打ちたい！」
謙信「誰だ？」
柿崎「関白左大臣であられる近衛前久様
です。
以前より、景虎様の手腕をとても認め
ておられるとか。
関白左大臣になられた今でも、自ら北
陸、関東に出向かれるようなお方で
す。
今後、関東南下を進めるに辺り、力添
えはかなり有力になるかと....」
謙信「そうだな...
これから、雪深くなる前に早めに動い
た方がいい。
直ぐにでも行く準備を！」
柿崎「承諾しました。」
謙信「柿崎。
晴景兄上に婚儀について、進言したと
か...」
柿崎「・・・・
はい。
実は...
近衛前久様より、妹君と謙信様の縁談
をとの話があります。
ここで、姻戚の結束は強固なるもの
...出来れば、本妻として迎え入れて
いただきたい。」
謙信「・・・・
悪いが、その縁談無かったことに...
私の伴侶にするのは、伊勢しか考えら
れない...
晴景兄上に婚儀の承諾をいただき次
第、正式に伊勢を迎える。」
柿崎「しかし！
近衛様の後ろ楯は...」
謙信「後ろ楯とかの問題ではない。
近衛殿の信望は直に得られるよう
にする！
これだけは、譲れない..」
柿崎「・・・・」
柿崎は、最後まで『承知した』とは言わなかった。
それ程、近衛殿の妹君との姻戚は、重要なものだと言うことはわかっていた。
それでも、伊勢以外の者を娶る気はない。
あの笑顔を曇らせるわけにはいかないからだ...
どんよりと重たい雪雲を見上げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
KOHKU(プロフ) - コメントありがとうございます。戦国時代の恋の行方はもう最終章に入っていきます。続編も考えています。読んでもらえると嬉しいです。 (2021年1月26日 19時) (
レス) id: 0bb67776f8 (このIDを非表示/違反報告)
ここな(プロフ) - こんにちは！歴史には全く詳しくないのですが、昨日から一気読みで読ませてもらいました！これからも楽しみにしてます。他の作品も時間のあるときに読むつもりです。ヾ(*´∀｀*)ﾉ (2021年1月26日 15時) (レス) id: 01920890a3 (このIDを非表示/違反報告)
KOHKU(プロフ) - 励ましコメントありがとうございます。今回のアップ出来なくなった時は、焦りました。頭の中の物語を、楽しんでもらえていることが知れて嬉しかったです。他のサイトからの励ましコメントももらえて、この作品をコツコツと綴って行ければと思いました。 (2021年1月19日 20時) (レス) id: 0bb67776f8 (このIDを非表示/違反報告)
よっしー - こんばんは。「また君を探す 2」の方でコメント送らせていただいたものです。いつも素敵な夢小説をいつもありがとうございます！毎日読ませて頂いております。これからも応援しておりますので、どうか無理のない範囲で頑張ってください！ (2021年1月19日 17時) (レス) id: 56a87d2e69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：KOHKU | 作成日時：2021年1月18日 19時
