また君を探す＊4

絵馬 ページ23

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真田「信玄様...」

信玄「どうだった？
　伊勢は、無事だったか？」

真田「はい。
　伊勢姫殿は、景虎の看病をしてい
　る様子。
　景虎の容態は外には漏れて来ないの
　で、詳しい事はわかりません。
　しかし、姿を見ないので、あまり良く
　ないのではないでしょうか...

　先日、伊勢姫殿が善光寺に出向かれ
　ました。

　...これを...
　善光寺に奉納していかれました。」


信玄「...絵馬か...」


『信玄様の怪我がよくなります様に..
　いつまでも、平穏無事でありますように..』


絵馬にはそう書かれていた。



こんな時代でなければ、もっと違った関係が築けたかもしれない。

本意でないが、怖い思いをさせた。
自分が伊勢を欲しいと思わなければ...

伊勢は、私を友として居てくれたかもしれない。

そう、何度も後悔した。


きっと、自分を恨んでいるだろうそう思っていた....




しかし...

伊勢は、私を案じていてくれた。
それが、愛する人ではなく友としてだとしても...


信玄「...全く...
　 伊勢よ...
　信濃からお前の幸せを見守る事にする。」


信玄様は、景虎達の夜襲で負傷した。

大熊が連れてきたのが、信玄様が心を寄せていた者だったとは..
しかも、あの景虎までが自ら夜襲の先陣をとるほど者のようだった。


あの者のお陰で、信玄様は軽症ですんだ。



信玄様の指示で、伊勢と言う者の様子を探りに行った。


美しい顔立ちの娘だった。

善光寺で熱心に祈り、絵馬を書いていた。


何を祈ったのか、興味が出た。



絵馬を見て驚いた...

敵であるはずの信玄様の祈祷をし、自分を危険な目に合わせることになった裏切り者の冥福を...そして、愛する人の回復を願っていた。


あの者は、敵も味方もなく人を思う事が出来る不思議な娘なのだ...

信玄様が心を寄せるのもわかる気がした...




信玄様の祈祷を記した絵馬を持ち帰った。

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