偶然ですか？

引っ越し sideK ページ20

初バイトから3日。
4月1日…今日は、お引越しの日です！！

まとめて置いた荷物はすでに新しい部屋に運ばれている。
今日は最終的な荷物を持って、向こうで荷ほどき。

今日から一人で生活するのか…
感慨深い、というより実感ができない(笑)

料理は多少なら親に習ったけど…掃除、洗濯…
一人でホントにできんのかな？(笑)

二時間かけて大学に通うなんて、別にできないことじゃない。
やってる人もたくさんいるし、二時間くらいなら実家から通えよ、なんて言われたりもした。

でも、俺は自立するんだ！
一人で暮らして男を磨くんだ…！！←


そんなこんなで昼過ぎ。
とうとうやってきました俺の新しい最寄駅！
って三日前にきたばっかだけど！！

風磨くん、偶然ばったり出会えたりしないかな？
周りをきょろきょろ見回してみても、それらしき人は見当たらない。
大学生はいっぱいいるのに…
ていうか、土曜日でもこんなにいるんだ。
しかもまだ春休みだよね？


何回か下見に来ているマンションに向かって、歩くこと数分。
途中で通ったバイト先のカラオケでは、山下くんと、もう一人知らない女の子がフロントで立っているのが見えた。
そういえば、女の子が多いとか言ってたっけ。
…今日は風磨くん、シフト入ってないのかな？


たどり着いたマンションで、大家さんに挨拶をする。
部屋番号は313。
三階にある俺の部屋の周りにも、同じ大学の人たちが住んでいる部屋がいくつかあるらしい。
この辺のマンションはみんなそうだって、大家さんが教えてくれたな。
風磨くんもこのあたりに住んでたりするのかな？


もうここ数日、何かを考えるたびに風磨くんに結びついてしまう自分に半分呆れてきている。
どんだけ憧れてんの、俺。


三日前、家に帰宅してすぐに風磨くんにメッセージを送った。
他愛もない話をして、引っ越しはいつだとか、入学式が楽しみだとか…
しばらく話して、普通におやすみ、って。

次のバイトは昨日だったんだよなぁ。
今日入ってるのか聞いておけばよかった。
入ってたら遊びに行くのに…

っていけねえ、遊んでる場合じゃないわ。
今日中に荷ほどきしないと。
入学式は明後日だ…！

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