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慣れているかのように駄菓子を運んでいた萌え袖の男、谷崎潤一郎もその異常な光景に胃が痛くなっている。そんな不穏な空気の中、太宰は口を開いた。




「詳しく、とは云っても先程云った通り12年も疎遠状態なので。乱歩さんの求めているような事は話せませんよ?」



「何、承知の上だよ。その12年の空白を除いた情報が欲しいんだ。」





話してくれるよね?と脅迫紛いな口調で話す乱歩に、渋々といった形で語る太宰。


年齢はとか誕生日はとか小学生の自己紹介のような情報しか無いものの、乱歩は未だ興味深そうに目を輝かせている
その様子を見た周りは更に驚いた顔をしていた。




確かに”地獄のような性格をした太宰”の姉である。興味が湧くのもおかしな話ではない。
だが、周りが驚いているのはそこではなく、太宰の口から出る情報の少なさだ。

一緒に居た時間が少ないとはいえ、流石に少なすぎる。誕生日以外は殆どが見ればわかる情報だった。
年齢、見た目の特徴、性格…通っていた学校とか、仕事は何に就いているのかとかは太宰も知らないらしい。






大方情報をまとめると、年齢は28で誕生日は12月7日。白髪で青い目をしており、性格は最悪との事だ。あの太宰が云う程最悪な性格をしているのかと、会う前からHPがゼロの国木田を置いて話を進める太宰。





「…という感じで、謎に包まれているのだよあの人は。まあ何かとやらかしていたから、生命力はあるだろう。何処かで生きているさ」



「何処かで生きているって……太宰さんは、お姉さんのことを探さないんですか、?」



「勿論探したよ。
居なくなる前は、私の事が大好きで全く離れようとしなかった人なのだよ?そんな人が私の前から突如姿を消したんだ。流石に焦ったよ。…だが、探しても指紋の一つも出なかった。幼かった私でも 探すのは無理なのだ と嫌でも悟ったよ。」







敦達を置いて淡々と話を進める太宰。来てまもない敦だが、太宰の凄さは身に染みている。観察力、考察力、頭の良さ等、そこらにいる探偵や警察よりも長けているだろう。なのにも関わらず指紋の一つも出なかったなんて…尊敬を通り越して恐ろしさまで感じる。
幾ら太宰が幼かったとはいえ、太宰の推測を交わすのはそう簡単なことではないのだ。








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graply12(プロフ) - 次回を楽しみにしています!! (3月14日 20時) (レス) id: 53daeb10be (このIDを非表示/違反報告)
アルドノア - 太宰さんの姉になりたい人生だ。更新楽しみにしてます!! (2022年10月23日 11時) (レス) id: d1c9c30f30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梅こんぶ | 作成日時:2022年9月29日 14時

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