ごく普通の学校生活【実況者】 (ページ5)

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『納得しない、というか
したくないっていうのが正しいのかな』

sn「したくない？」

『いやさ
納得しちゃったら、さっき言ったようなカースト制度であったりの
魔法に優劣がある、っていうのを認めたもんじゃない？』

sn「あー確かに？」

『なんで疑問形w』

sn「んえー？
いやね？僕は魔法能力の高い低いなんてどうでもいいんだけど、実際そのせいで虐めだったりがあるからさ
認める認めない、じゃなくて僕は認めざるおえないから嫌いになれてないのかもって

だから、その考えを貫き通してるAさんは凄いなって思ってさ」

『ん、いや、その考えだと私が凄い訳では無いよ。
認めざるおえないってのは私も理解できるし仕方ない事だし…
というかその現状を受け止められるしにがみさんの方が私は凄いと思うな

私はそんな社会を見たくないから魔法を否定し続けてるだけ。だから、しにがみさんの方が凄い』

立ち止まった私に気づいたしにがみさんは振り返る。

背には真っ赤な夕日が照っており、それによって出来た影で表情は読み取れない。

けど、それでも何となく
しにがみの心情は解った気がする

しにがみさんは、魔法のせいで虐められたことがある。だから認めざるおえない、という表現をした

彼の魔法はなんだったっけ…嗚呼、寿命関連だったか？

相手と自分の了承があれば、対象の寿命を把握することが出来、自分の寿命を他者に与えたり
または相手の寿命を頂いたりすることが出来る

中々に強い魔法だ

だが、その強い魔法が故にターゲットにされた

学校のド屑共がしにがみさんの寿命を集り始めたのだ。さすがにお金や物はまだしも、寿命はやばいだろう。
本当に魔法になれてしまった人達は性格がやばい

最初はしにがみさんも拒否っていたようだが、我慢できなくなったド屑達は
校舎裏に呼び出して、大人数で同調圧力をかけた

ギリギリなところで私が見つけて追っ払ったがいいものの、あのままいってたら多分
しにがみさんは寿命を渡していただろう

そんなことがあったから、魔法の優劣だったりカーストだったり、虐めだったりは否定出来ず

それでもその魔法によって助けられた命があったりするから、自分が嫌いになれないのを認めざるおえなかったんだと思う

断固とした意見を持たないしにがみさんだから、私みたいな人間にすごいって言われたのが嬉しいんだと思った

sn「…ありがとう」

『いいえー』

高校１年生の冬の出来事だ

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