ピアノ５(智くん目線) ページ30
O「へ？」
頭の上の方からおいらを呼ぶ声がしてスケッチブックに落としていた
目線を上げると困ったように笑う翔くんの顔
･･･この顔も おいらの好きな翔くんの顔
O「なに？」
S「なにじゃないよ(笑)リビングに戻ろう？結構時間立っちゃってるよ？」
O「マジか(笑)」
集中しちゃうと周りが見えなくなるおいらの悪い癖(笑)
気づけばだいぶ時間が経っていてAは翔くんに抱っこされて寝てた
S「すごい集中してたね？いい絵描けた？」
O「うん！すっごいいいのが描けた」
おいらが笑ったら翔くんは「じゃあ見せてね？」って笑う
O「ん･･･リビングに戻ったら見て」
・
次の日 翔くんは大きな箱を抱えて帰ってきた
N「翔さん 何買ってきたんです？」
S「これ？これはAにお土産！」
そう言って翔くんが箱を開けると出てきたのは小さな赤い子供用のピアノ
M「ピアノ？」
S「昨日Aが嬉しそうにピアノ弾いてたんだけど あれだと大きすぎて
Aの指じゃ届かないし鍵盤も重いと思ってさ！帰りにおもちゃ屋で買ってきた」
A「えー？翔ちゃんがおもちゃ屋さんに行ったの？」
S「すごい視線集めちゃってピアノ受け取って逃げるように出てきた(笑)」
M「週刊誌に載ったりしてな」
N「櫻井翔に隠し子か！子供用のピアノを買う！って？(笑)」
S「それはまずいな(笑)」
O「んふふ 平気じゃない？」
S「ま！悪い事してないし！Aおいで！」
翔くんはピアノを床に置いて胡坐してその足の間にAを座らせる
S「これAのピアノだよ？」
A「Aのー？」
翔くんはAの指に自分の指を添えて昨日の様にまた子供用のピアノを弾く
曲はおいら達の【ふるさと】
３人はその姿を嬉しそうに笑ってみてる
ほら翔くん･･･気づいてる？翔くんのピアノで相葉ちゃんもにのも松潤も
こんなにやさしい顔して笑ってる これが翔くんのピアノの力なんだよ？
翔くんのピアノは人を笑顔にさせるんだよ？その事に早く気づいてよ･･･
翔くんのピアノはとっても温かい･･･
おいらはまたスケッチブックを取り出して絵を描く やっぱりスラスラとペンが進む
翔くんとAがピアノを弾く その周りに３人の顔が描き足されていく
･･･もちろんおいらの顔も
･･･みーんな嬉しそうに笑ってる
･･･ああ、やっぱりおいら幸せだなって思う
･･･おいらは何て幸せ者なんだろう
――― ピアノ 終 ―――
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作者名：綾
| 作成日時：2013年9月23日 12時
