君がいるから笑えるよ５ (ページ28)

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ピアノ３(智くん目線) ページ28

１度高校生達と裏に下がってその後俺らの所に戻ってきた翔くんの目は赤かった

「ああ、泣いたんだな･･･」ってすぐにわかったそれに泣いた理由も･･･

でも何も言わなかった、てか何も言えなかった･･･

適当な言葉をかける必要なんてないと思った･･･あの演奏の後で失礼でしょ？

だってあんなに素晴らしかったんだから！

おいらは本気でそう思ったよ？今だってそう思ってる･･･

でも翔くんは違ったんだよね･･･

２４時間が終わっても翔くんは今日みたいにこうやってたまに練習してる

何でかなぁ～何が翔くんをそこまでさせてるんだろ？

部屋の扉を開けるとAが翔くんの所まで走って行く

A「しょー！」

S「あれ？Aどうしたの？」

O「翔くんごめんね Aが翔くんどこ行ったって聞くからさ～」

S「ああ、そうなの？Aごめんね？すぐ戻らなくて」

翔くんは優しい顔でAの頭を撫でる･･･おいらの好きな翔くんの顔

A「しょーなにー？」

Aがピアノ指差して「これはなに？」って翔くんに聞いてる

S「これ？これはねピアノだよ？」

翔くんはAを抱っこして膝に座らせて鍵盤を押す

A「ぴあのー！」

Aは目を輝かせてピアノを見てる･･･やっぱり女の子やな(笑)

嬉しそうなAを見てた翔くんはゆっくりとピアノを弾きはじめる

曲は･･･２４時間テレビのあの曲

ああ、やっぱり上手いな～って思いながら翔くんを見る

優しくて温かくてだけど強い思いのこもった音色･･･心に響く音色

O「やっぱ上手いねぇ～」

弾き終った翔くんにおいらはそう言った本心、本気でそう思ったからそう言った言葉

でも翔くんは悲しそうな顔で

S「全然ダメだよまだまだ(笑)」

そう言って悲しそうな困った顔で笑った

O「そう？おいらは好きだな翔くんのピアノすっげ温かいもん」

S「俺ね･･･邪魔しちゃったんじゃないかって思ってる･･･」

O「え？」

Aの頭を撫でながら翔くんは俯いた

S「あの日の演奏は完璧なものじゃなかった･･･俺のピアノにつられてしまった子もいた

　あの日はあの高校生達の新たな出発の日だったの･･･旅立ちの日･･･

　何度も練習したのにあんなミスして･･･おれは高校生たちの邪魔しちゃった･･･」

O「翔くん･･･」