吹部部長は今日も手を焼いています【浦島坂田船】 (ページ6)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:2,176 hit

5音目ページ6

次の日、朝練があるのでちょっと早起きして学校へ向かった。
いつもは私が1番にきて鍵をあけておくのだが、今日は先に人がいるようだった

ガラッ

『なんだ、センラくんじゃん。おはよ、ソロの練習？』

セ｢おはよーございます、そーなんよ、宝島のソロがなかなか納得せんから、早く来たんです｣

『そっか。頑張れ！』

センラはあまり人前で頑張ってる所を見せたくないらしくて、出来ないところはこうやって朝早く来て練習するようにしているらしい。

うちの部活は朝練は基本自主練と同じ感じなので、好きな所へいって練習することになっている。

楽器準備室で楽器を出していると、センラのソロが聞こえてきた
大きい音だけど、雑ではない綺麗な音。
私はこの音が結構好きだ。

聞き入っていると準備室に誰かが入ってきた

う｢おはようございまーす…なんだ、Aか｣

『うらた…なんで私には興味なさそうなのよ…』

う｢だってAだから｣

『理由になってないわ！！！』

うらたとはいつもこうやって口喧嘩みたいなのをしている。まあこれはふざけ合いみたいなもので本気で怒ってはないのだけど

う｢よし、準備かんりょー。センラぁー練習付き合ってー｣

セ｢いいですよー｣

う｢ほら、Aも早く来いよ｣

『えっ私も？？』

う｢だって、メロディーいないと話になんないじゃん、おねがい♡｣

最後は上目遣い付きでお願いされた。キモチワルッ←

『ハイハイ、じゃあ先行ってて、準備するから』

う｢はーい｣

うらたはすぐに音楽室室の方へ行ってしまった

それから私たちは新入生歓迎会の曲を一通り合わせて、朝練を終了させた。楽器を片付けている時、ふとセンラが

セ「そう言えば、うちの高校に、中学で天才って呼ばれてたクラの子が入ってきたって噂あったなぁ。A、エースの座取られるんちゃいます？」

『あーそれ、パートの後輩にも言われた。なんでも楽譜1回見ただけで吹けちゃうとか、プロ顔負けの演奏技術だとか。というかエースじゃないわ』

セ「そんな謙遜せんでもええのに〜。まあ、期待の新人が入ってくるのはええことですからね」

う「それもそうだな、今年が最後だから絶対全国には行きてぇし。」

そう。私たちは、3年生で今年が最後のコンクール。
去年惜しくも全国出場を逃した先輩たちの悔しさを受け継いで今年こそはと部員全員が意気込んでいる。
だから期待のエースが入ってくるのは嬉しい。けど

........なんだろうか、この不安は。