吹部部長は今日も手を焼いています【浦島坂田船】

1音目 ページ2

〜♪
今度の新入生歓迎会で演奏する曲を最後まで吹いて、ふぅと息をつく。

｢やっぱり校舎裏は落ち着くなぁ…｣

この高校の校舎裏は風通しがよく、人気も少ないため、自主練にはもってこいの場所だ。
私、如月Aが正式に部長になって、1ヶ月経とうとしていた。
3月に3年生が卒業し、ドタバタしているうちに新学期になり、1年生も入学してきた。

1年が入学してから、２、３年生が1人でも多く
新入部員をGETしようと、朝から看板を掲げて勧誘している。

｢去年は3年生が22人いたから最低でもそれぐらいは欲しいなぁ…クラに2人ぐらいと…ペットも音薄くなってきたし…｣
と考えを巡らせていると急に背後から

｢なーにブツブツ言ってんの？｣

と声がした

びっくりして振り返ると、同じ吹奏楽部の浦田わたるがいた。

｢なんだ、うらたか…｣

う｢なんでガッカリしてんだよ…そろそろ合奏始まるぞ｣

｢え、もうそんな時間なの！？やばいお茶買おうと思ってたのに！！｣

う｢俺は呼んだからなー遅れるなよー｣

うらたは用は済んだとばかりに音楽室へ向かってしまった


自販機から音楽室行くんだったら絶対間に合わない…お茶は諦めよう

しょんぼりして音楽室に向かった

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