貴方が天下の大将軍になるまで、私は‥

4 ー蒙恬sideー ページ5

ー蒙恬sideー





李榻…

確か、じーちゃんの葬儀の際に
孫娘との縁談を持ち掛けてきた失礼な奴が居たっけ


適当に遇らって退散したいところだけど…








榻「いやいや！！はっはっは
こんなところでお会い出来るとは！！」


毅「祖父の葬儀ではお忙しい中
御参列頂き、有難う御座いました。」




恬「…では、
用が有りますので、我々はこの辺で。」


榻「お、お待ち下され！！
いやはや、此処でお会いしたのも何かの縁！！

亡き蒙豪殿に想いを馳せて、少しばかり茶でも
飲みながら語らいませぬか？」






…何が縁だ。

じーちゃんの名前を都合良く使いやがって。





恬・毅「……。」




じーちゃんには悪いけど、
李家との縁は、俺達の代で切らせて貰おう…





恬「申し訳ないですが…

A「せっかくの御誘いですし
お二人共、行ってらっしゃいませ！」ニコッ






断ろうとした時、

Aが割って入ってきた。






榻「むむっ、こちらは…？」

A「私は、幼少の頃より
蒙恬様、蒙毅様に仕える、Aと申します。」





榻「ほう…」ジロッ





側仕えと聞いた時から
明らかに、李榻の目付きが変わった。


見下したような、蔑むような…







Aは、綺麗だからな。


この茶の誘いだって、
自分の孫娘との縁談をこじ付ける絶好の機会くらいにしか思ってないだろう。

そんな俺達に、年頃の容姿端麗な娘が
付き従っていればこのオッサン的には面白く無い。




多分、Aはそれに気付いている。





前々から、
俺達の縁談とか気にかけてたんもんな〜



俺は、毎回ちゃんと
気持ち伝えてるつもりなんだけど。


やっぱ、拾われたからとか
自分の身分が〜とか気にしてんのかな？






そんなの、どうだって良いのに。







はぁ…。
すげー面倒臭いけど、


気は進まないが、後から断ればいいか。




恬「では、Aが
こう言っているので少しだけ。」



毅(…！よろしいのですか兄上？)

恬(仕方無いっしょ…
適当に話して、早々に切り上げるぞ)



榻「おおっ！！そうこなくてはっ！！

実は、すぐ近くの茶屋に私の孫娘が居ましてな！！
せっかくなので、お二人にも少々ご挨拶を…」





恬・毅(……！)








………面倒な事になりそうだ。

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