貴方が天下の大将軍になるまで、私は‥

29ー李華sideー ページ33

ー李華sideー









「……はぁ、……はぁ

さすが…っ、御武人ですわね…っ」







蒙恬様が少し急ぐと言って、進行の足を速めると

私は、あっという間に置いていかれてしまった。







それでも最後尾の兵士を見失わない様に
なんとか着いて行くも、

足場の悪さに気を取られている内に
はぐれてしまった。





今までは皆様が、私に合わせてくださって
山を進んでいたのだと思い知らされた。









「……本当、何やってるのかしら私。」









息巻いて付いて来たのは良いものの…



結局は足手まといになって。







岢燕も黄卧も


Aも…






皆、私の所為で……








……









「……えぇぇえいっ！
なに暗くなっているの私！！
済んだ事を考えても、今は意味が無いわ！！」




パンパンッ！と
辛気臭くなっているであろう表情に
喝を入れるように、両頬を手で叩くと



じんわりと痛みが広がっていく。









夜光虫を見つけた時の様に

私にだって、何か出来る事があるかもしれない。








「とにかく、前に進むのよ…！」









その後は、とにかく皆様に追いつく為に


必死で歩いた。







進んでいる方向が正しいのか


自信は無かったけれど、
立ち止まっては行けない気がして。









……









「………駄目だわ。



どこにも……姿が見当たらない。」









慣れないどころか、初めての登頂。




一息つくと

酷い靴擦れの痛みと
今までの疲労が、どっと押し寄せて来た。








脚を前に進めようと、頭で考えても
身体が言う事を聞かない。


まるで自分の身体では無いような
感覚に恐怖を覚えた。






あらためて周りを見渡すと

月の光が時々、木々の隙間から見えるけれど
辺りは真っ暗で…



不気味な鳥の鳴き声や、獣の気配に気がついて





…私は今、夜の山中に

一人きりなのだと実感した。









だから…






ふいに現れた、火の光と人影にすがってしまった。









私は…なんて愚かなのかしら…









敵か味方か、考える事も忘れて。









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1ヶ月も放置してしまい、申し訳ないです！
Σ(ﾟдﾟlll)


気が付けばお気に入り登録が30件超えていて
泣きそうです！！ありがとうございます！！


また更新頑張ります！

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