貴方が天下の大将軍になるまで、私は‥

15ー李華sideー ページ18

ー李華sideー

【料亭での縁談から数日後】








…








結婚は…家と家との結び付きを強める為の
ひとつの手段にしか過ぎない。





それはもちろん分かってはいたけれど

ずっと憧れていたのよ。



素敵な殿方と恋をする事に






…






李本家には子供が、
私ひとりしか出来なかった。






李家存続の為
お祖父様は持てる人脈を駆使しては

日々、私の婿探しに明け暮れていたわ。






お祖父様の勧めで、何度も縁談をしたけれど

生涯を共にしたいと思える相手はいなかった。







だって、嫌に決まってるわ！


今まで出会った方々なんて…


貴族の男は、気位が高いだけで
威張り散らして…尊敬出来る所なんて無いし、


宮仕えしている文官は
自分がいかに聡明であるかを延々と話すのよ。








だから、今回の縁談は
運命かと思える程に胸が震えたわ！






王賁様…






強くて、逞しくて…

それにお顔も整っていらして。(重要)





少し無口で、無愛想だけれど…






私がずっと憧れていた
殿方の条件を全て満たしているんだもの！



こんな素敵な出会いは
二度と無いかもしれない…





そう思った矢先に

Aと名乗る娘が現れて…







…思い出すだけでも虫唾が走るわ！！














「…まあ、いいわ。

邪魔はされたけれどその結果、蒙恬様という
素敵な殿方にも出会えたんだもの。」ボソッ









岢燕(か えん)
「お嬢様、数日前の縁談の返事が来ましたよ」



「あら、早いわね！！」


燕「王家と…蒙家からもお返事が」


「えっ、蒙家からも？」



燕「王家との縁談中に、鉢合わせてしまい
今後、蒙家には縁談話を持っていくのは難しいと
李榻様が仰っておりまして……。」



黄卧(こう が)
「ならばいっそ！この前の食事会を縁談として
お嬢の事どーっスか？気に入ったのなら早い者勝ちですぞ！みたいな文を蒙家に出してたみたいで！」



「もう…お祖父様ったら…///それで、お返事は？」





燕「はい、えーと…」ガサガサ






燕・卧「………。」






「何よ、早く読んでちょうだい！」







燕「あ、はい…
《今回はご縁が無かったという事で…以下略》」

卧「お嬢…どんまいっス！！」






「………！？
ちょ…ちょっと待って、それはどちらの！？」


燕「両家とも」




「あり得ないわ！王賁様はともかく、
蒙恬様とはとても親密になれた筈よ！！」


卧「お嬢をフるなんて、見る目の無い男達っスね」

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