教えてあげて、サルトルさん【五条悟】

副業 ページ12

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ある日の仕事終わり。








「A、明日出かけるぞ」


「社会人舐めんな」



部屋でくつろぎなからそう話す悟に、学生と違って土曜も仕事だわとキレれば、ならお前の次の休みで良いよと言い直される。









いや。何言ってんだこの子は。








「私、絶対行かない」




休みの日は外出たら負けだって先輩から教わったーと適当に抗議すれば、親指と人差し指を擦り合わせるようにしてマネーサインを送ってくる悟。





どういうこと…？と金と好奇心に目が眩んで尋ねれば、一日だけ彼女としてデートして欲しい。と悟は簡潔に要望を述べた。









「何だよそれ。

遊んで金貰えるとか最高じゃん」


「だろ？」




さっすがボンボン悟さま。


金にがめついとかの問題以前に、10も年下の男にたかるというのは人としてどうかと思うが、悟が私よりお金を持っていることは知っている。




時給か日給か、一日でいくらになるのかも全く分からないが、食って遊んで金が入るのならと、クズ思考を持つ私は即答で了承した。









「場所は？どこ行くか決めてんの？」



「遊園地」



「えー」




ちょっとダルいなーと不満を漏らせば、これは決定事項だという雇用者さまのご意向により、トントン拍子で決まっていく予定。









そして、私は次の休日。


レンタル彼女(仮)として、私は本当に悟と遊園地へ行くことになった。









◇









当日。



彼氏様(仮)によると、今日は1日中遊びまくるという計画らしく、高校生の体力に圧倒されながらも私たちは開園前から列に並ぶ。









「…あ、あのさ。悟」


「ん？」




ボーッと近くにいた子供を眺めていたら、突然握られた右手。


華奢な見た目とは違い、思ったより男らしい手に動揺していれば、悟は余裕そうに少し笑って、わざとらしく恋人繋ぎに変える。









「照れてんの？」


「うっ…」




私の彼氏いない歴を知っているくせに、態々そう聞いてくる性悪男は、私の反応を見るや否や、ルンルン楽しそうにスマホをいじり始める。





完全に舐め腐ったその態度に、股間を1度や2度蹴ってやろうかと思ったが、カノジョという今日の役割のせいか、悟が無駄に格好良く見えてしまう。





てか、こんなにイケメンだったっけ…と悟の綺麗すぎる横顔に見とれていたら、あっという間に受付の人に見送られ、早速遊園地の賑やかな光景が目の前に広がった。









◇

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