思い出 ページ11
◇
「てか、悟って本当に私のこと好きなの?」
「俺が今まで冗談で言ってたとでも?」
そんな暇じゃねーよと、最後のひとすくいを取ろうとする悟。
それを阻むように手でガードを作り、私は先に素麺へと箸を伸ばす。
「実際さ、私を好きになる理由なんてなくない?」
顔も可愛いし優しいし、とっても素敵で魅力的な女であることは自覚しているが、悟に惚れられる覚えはない。
むしろ、悟には素をさらけ出してたし。
そんなことを考えつつ素麺を掬おうとすれば、悟に器ごと横取りされる。
「理由なんていらねぇだろ」
私から奪った素麺に麺つゆをつけながら、少女漫画じみたことを言う悟に、私はそういうもんかね。と適当に返答して、悟が箸を持つ方の手を掴む。
「気づいた時には、
お前以外の女に興味湧かなかったんだよ」
「…悟」
なんでそんな恥ずかしいこと平気で言えるんだろう。
そうジトッと悟のイケメン面を少し眺めた後、私はすぐさま悟の箸に囚われている素麺に顔を近づける。
私の口に入るまであとちょっと。
勝利を確信して口を閉じれば、強行突破してきた悟の顔面と勢いよくぶつかる。
「「あ。」」
そして、意地汚い闘争の末。
私たちの大好きな素麺が、床にペチャリと落ちる音だけが部屋に響いた。
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眠民。 - 最近の呪術廻戦が病みすぎて辛いので飛んできました。。最っっっ高です‥泣もう好きです。ごじょせん推しというわけでは無いのですが、このかっこよさ可愛さは神ですね(?)素敵な作品ありがとうございました! (12月2日 19時) (レス) @page29 id: 03ba19f866 (このIDを非表示/違反報告)
はく(プロフ) - えー…あ、っとー…もう最後の展開も好きすぎて携帯ぶん投げました。はい。抑えきれませんでした。スキイイイイイイイイイイイイイイイイイ (2022年1月19日 2時) (レス) @page29 id: 480d828c8e (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - 題名で一本釣りされました。ネーミングセンスと作品作るセンス有り過ぎでは? (2021年2月27日 10時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
裸足のシンデレラ(プロフ) - 凄い面白いです!ただ疑問なのが有り1作目の時、主人公は19歳で高校生だったという事でしょうか? (2021年2月26日 20時) (レス) id: a4ec8b23ee (このIDを非表示/違反報告)
ゆっちゃん(プロフ) - 続編おめでとうございます。前作から読ませて頂いてましたが、続きが見れて嬉しいです! (2021年2月25日 23時) (レス) id: 6e82a1bfb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:西川あや x他1人 | 作成日時:2021年2月25日 15時