【あんスタ】アイドルって、そんなにいいものですか (1)

これってあるあるだと思うの ページ23

消しゴムもノートもシャー芯も確保。


ついでにシャーペンも買おうと手を伸ばすと、


同じものを取ろうとしていたらしい隣の人と手が重なった。


何だこの少女漫画的展開は。


てかまだ正午くらいなのに残り1つて、このシャーペンどんだけ人気なの。


「さーせん」


「こちらこそっ、申し訳ないでござ・・・ん？」


お互い手を引っ込め、隣を見る。


長い前で髪で左目を隠した、小柄な男子。


あれ、こいつ・・


間違えるはずがない、中学校時代の私の恩人がそこにいた。


「仙石じゃん久しぶり」


「お久しぶりでござる、A殿っ。あっ、ペンはお譲りするでござる！」


「え、いいよ。仙石どーぞ」


「いやいや！ここはA殿に」


「いやいやいやいや」


「いやいやいやいや」


「あーー！Aちゃんだー！」


私と仙石の不毛な譲り合いに終止符を打ったのは


アイドル科に私の変な噂を流しやがった、憎き葵ひなたの声。


「何してるの2人とも？」


「少し前から見ていましたが、mechanical pencilの譲り合いのようですね」


「めかにか・・何て？」


「しゃーぷぺんしるの事です」


ひなただけかと思いきや、ゆうたと・・朱桜だったかな、それもいた。


私の周りが一気にイケメンくさくなった。


・・・最悪だ。



早くこの場を離れようと、シャーペンを諦め、早足でレジに行き会計。


この際、ドロップキックも諦めよう。


「823円でェす」(適当)


財布を開く。


800円、20円、とカルトンにお金を置いていく。


あと3円・・・・


・・・1円足りない。


今日は運が悪い。

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