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フィットネスセンターを後にしたとき、時刻は既に18時を回っていた。
そろそろ食事か、とレストランへ足を向けたその時だった。
今永「…え、なんでいるん?」
「今永さん!?」
178cmの影は私をずいと見下ろした。
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今永さんは東都リーグに所属する駒澤大学出身。
一方私も東都の青学の元マネージャーだった。
そのため、いくらか東都の選手と親しくさせていただく機会があり、今永さんもそこで出会った。
今永「待っちょって、ちいと紹介するわ。おーい、牧!」
「あれ、マッキー!」
今永「何、知り合い?」
「マッキーは東都の後輩です!」
牧秀悟は私が最も仲良いと自負する中央大学出身の東都の後輩。
そんな彼の代表的なパフォーマンスである「デスターシャ」は、彼が4年の頃から密かに披露していたと中大マネージャーの後輩から聞いた試しがある。
牧「なんすか、今永さん…って、わ!Aさんじゃねえすか!」
「マッキー久しぶり!」
牧原「俺?」
「えっ…?あ!牧原さん!初めまして〜」
牧「牧原さん、今は俺の勝ちっすよ…。そういえば明日吉田さん合流するらしいっすよ」
「吉田さんって、あの吉田先輩?」
牧原「たぶん、」
牧「なんで牧原さんが答えるんすか!」
6歳も離れているものの、仲良さげに戯れ合う2人。
彼らは出身校もプロ入り時期もリーグも違うはずなのに、ジャパンを通じてこれほど親睦を深めているのだ。
だからこそ、日本の優勝は大丈夫だとそのとき瞬時に把握した。
今永「誰か紹介して欲しいしととか話したいしととかいたら言うてな。東都の奴以外もでたんいるけ」
「なんて言いました?(笑)」
今永さんが気を許しているときだけパッと出てくる北九州弁の響きが心地よい。
「鈴木誠也選手とお話ししたいです!」
今永「誠也おらんけ」
牧原「やけん俺が追加招集しゃれたんじゃんー!」
「あっ…すみません(笑)」
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まる(プロフ) - みゆじろうさん» 今年度から大学生になり、慣れない日々が続く中で更新頻度が激減しておりますが、必ず完結させますので寛大な心でお待ちいただけると助かります。今後もよろしくお願いします! (2023年4月15日 23時) (レス) id: 01772b3048 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - みゆじろうさん» みゆじろう様、コメントありがとうございます!できる限りリアルを追求して執筆してきたので、そのようなお言葉をいただけて幸いです。たくさんの素晴らしいWBC作品の中で1番と評価していただいたことも本当に嬉しいです! (2023年4月15日 23時) (レス) id: 01772b3048 (このIDを非表示/違反報告)
みゆじろう(プロフ) - あると思います。それに対しての訂正のコメントもあると思います。リアルさを求めれば求めるほど大変だとは思いますが、楽しませて読ませていただいている読者として執筆を応援しています。WBCを題材にしている小説の中で1番私は好きです。更新楽しみにしています! (2023年4月13日 2時) (レス) id: 7e0dd8129d (このIDを非表示/違反報告)
みゆじろう(プロフ) - はじめまして。楽しく小説読ませていただいております。選手の経歴や言葉、試合内容など知識がないと書けない小説だと感じています。その分、読者として妄想を広げつつ感情移入ができ、とても面白さを感じています。リアルな部分を表現する際に、ミス生まれる事も→ (2023年4月13日 2時) (レス) @page17 id: 7e0dd8129d (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - まいか様、コメントありがとうございます!声出しが上手く聞き取れなかったので教えていただき嬉しいです。直ちに修正させていただきます。温かいご指摘感謝申し上げます。今後もよろしくお願いいたします。 (2023年4月13日 1時) (レス) id: 01772b3048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まる | 作成日時:2023年3月25日 10時