【刀剣乱舞】胃袋で乗っとります。

参ります!!その22 ページ39

目尻に溜まった涙をぐい、と拭うと薬研は桜花に微笑んだ。

薬「改めて俺っちは薬研藤四郎だ、さっきは悪かったな大将」

『大将だなんて…！気軽に咲良とお呼び下さい薬研様』

薬「いや、俺っちも様付けはちょっと…もっと気軽に薬研でいい」

『分かりました、これからよろしくお願いしますね薬研』

薬「ああ、こっちの方こそよろしくな大しょ…咲良！」

そう言って桜花と薬研が笑い合っていると五虎退と小夜が桜花の手をきゅっ、と握ってきた。

五「ぁ、あの！僕も様付けはイヤです、咲良様の好きなように呼んで下さい！」

小「僕も様付けは堅苦しくってやだなって思う、だから咲良の呼びたいように呼んで？」

『じゃあ、五虎退様は【ごこちゃん】、小夜左文字様は【小夜君】と呼ばせて頂きますね』

堀「じゃあ僕も咲良さんの好きなように呼んで下さい」

『はい、堀川さん！』

桜花と刀剣男士達の距離が少し縮まり楽しく談笑していると、清光が「あちっ！ちょっとそこどいて〜」と言いながら土鍋を持ってきた。

『薬研、梅かつおのお粥です、美味しいか分かりませんけど…』

清光「こう言ってるけど咲良のご飯は本当に美味しいんだから！俺のお墨付き！」

薬「加州の旦那も手伝ったのか？」

清光「俺は朝方咲良が作ったこれを温めただけ、さ、百聞一見だよ」

清光が小さめな椀にお粥をよそい、薬研に渡そうとすると、五虎退がそれを受けとり自分が食べさせると言った。

五「はい兄さん、あーんして下さい」

薬「あー…！美味い…！」

清「ふっふ〜ん！でしょ？」

小「それじゃまるで清光さんが作ったみたいだよ…」

お粥は一口、また一口と薬研の口に消えていき、ついには土鍋まで空になった。

薬「咲良ありがとさん、とても美味かった」

五「咲良様のお料理には癒しの力がある霊力が込められてるんですよ、だから手入れ無しでも傷が治せるんです」

薬「手入れ無しでも？」

五「はい、だからちゃんとご飯を食べてゆっくりと休んでいればきっと良くなります」

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