【刀剣乱舞】胃袋で乗っとります。

参ります!!その19 ページ35

桜花side

近藤さんに託された刀剣男士の皆様を連れて私達が本丸の離れに戻ったのは夜明け前、私達の監視をアイツに任された三日月様とは出会うことはなかった。

清「薬研のこと布団に寝かせて来る」

『お願いしますね清光』

離れに着くと私は薬研様を清光に任せ、早速何も胃に入れていないであろう皆様の為に食事を作り始めた。

五「あの…何をなさってるんですか…？」

『皆様の食事を作っているんです…とは言っても柔らかめのお雑炊ですけど…』

五「【しょくじ】って何ですか？」

『え…？』

五虎退様のその一言に思わず動きを止めると、手伝いにきて下さったらしい小夜様と堀川様が私に訳を話してくれた。

小「女士はアイツにとっては小遣い稼ぎの道具にしか過ぎないんだ…」

堀「その為に太るからって言って、彼女達には水しか与えてなかったんです」

『それ、本当ですか？』

五「は、はい、だから【おいしい】っていうものが、まだよく分からなくって…」

それを聞いた私はますますアイツを許せなくなったのと同時に五虎退様に美味しい物を知って頂きたいという気持ちになった、そこで良い物があったことを思い出した。

『五虎退様、お口を開けて下さい』

私の言葉に不思議そうな顔をして五虎退様が口を開ける、その口に私はころん、とピンク色の固形物を転がした。

五「!?」

『私の好きな桃の味のキャンディーです、ご飯が出来るまでそれを舐めていて下さい』

五「【もも】の【きゃんでー】…」

『ちなみにそれが【甘い】の味です』

五「これが…【あまい】…！」

『小夜様達も果物のキャンディーお一つどうですか？』

堀「僕はいいです」

小「僕も…咲良の料理を食べたいから…」

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