たった一度の恋。2 (ページ10)

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「え、変かな‥？」

この問い掛けに首を何度も横に振るしか

できない俺にAさんは良かった、と安堵を見せて

その姿に詰まっていた言葉が溢れた出た。

「か‥‥かわいい‥！」

「ありがとう」

Aさんは長かった髪を短く切っていた。

この前彼女の携帯で見た、ボブヘアとかいうやつっぽい。

知らんけど。

いいや、今はそんな髪型の名前なんてどうだっていーわ

とにもかくにも可愛いが過ぎる。

褒めたら褒めた分恥ずかしそうにしてるのも可愛い。

「折角だからイメチェンしてみました」

なんて、大したこと言ってへんのに

心臓に何かが突き刺さったみたいに射抜かれた。

「むっちゃかわえー‥やっばいやん、もうなんなん」

「怒ってるの？」

「怒ってへんし、可愛すぎて興奮してんの」

「変なの(笑)」

美容師にやってもらったんやろうか

綺麗に内巻きにされた毛先は触れるとスルスルと

流れるように指の上を滑っていく。

たったそれだけで愛しさが痛いくらいに心臓を締め付けた。

「Aさん帰らへん？」

「え？何言ってるの、神宮寺くんのお誕生日お祝いするんでしょ」

「そーやけどさあああ‥‥」

「なに？」

「こんな可愛い人誰にも見せたないねんもん」

「そんなこと言ってもだめ。ほら行くよ」

俺の手を引いて前を歩く姿も

少し強引でちょっと興奮する。なんて

俺だいぶ、イタイな‥‥‥(笑)