たった一度の恋。2 (ページ15)

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「廉さ、なんか最近たまにいい匂いするよ」

「そうなん」

「香水変えた？」

「いや逆に最近つけてへん」

「ねぇねぇねぇ！お二人さん」

大学へ向かう途中ばったり会ったジンと歩いていると

後ろから突然現れたツムギが俺達の肩を叩いた。

あの日以来、初めて話す気がするけど

相変わらずツムギは元気でモナはその後ろに

隠れていて、本間に対象的な2人やわ。

「なに？」

「平野くんってさ彼女いる？」

「さあ、聞いた事ないな。ツムギ気になってんの？」

「ジンくん勘が鋭いね！でも全然違うよ」

「だったら勘が鋭いなんて言わんやろ、アホなん」

俺らの会話にモナがくすくすと笑うと

どうしてかみんな嬉しくなって笑い合う。

モナって不思議な力を持っていると思う。

「永瀬くん」

全ての授業が終わった帰り。

校門に差し掛かると後ろからモナの呼び止める

声がして振り返った。

「んー？なに？」

「ごめんね、急に呼び止めちゃって」

「ううん、大丈夫やで」

「あのね。謝りたくて、この前のこと」

「あぁ、俺も言い方悪かったし謝らんでええよ」

「ううん。私が嫌なの‥本当、ごめんなさい。」

深々と頭を下げるモナに駅まで一緒に行こ、と

声を掛けると彼女は安心したように笑った。

来週の土日は大学祭がある。

Aさんも行くよって言ってくれてるし

モナ達と仲直り出来て良かった。