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「んー‥‥」

「どうしたん?」



ある日の夜、晩ご飯のあとソファに座って

携帯を見ながら唸る彼女に声を掛けた。



「髪を切ろうか伸ばそうか迷ってて」

「へぇ、で携帯見てんの?」

「うん。ネットに髪型沢山載ってるから、廉くんはショートとロングどっちが好き?」



携帯の画面を見せてくれる彼女の顔を俺はジッと見つめていると、

その視線に気づいてAさんは首を傾げた。



「廉くん?」

「俺が好きなのはAさんやで」

「ん、嬉しいけど髪型の話なんだけどな」

「じゃあAさんがする髪型ならなんでも好き」



Aさんに伝える事は全部本心で

喜ばせたくて言ったりしてるわけじゃないけど

彼女は頬を緩ませてありがとう、って嬉しそうな顔した。



「可愛い、もうめっちゃ可愛いわ」



この人と付き合ってから抱き着くのが好きになったな。

ふたりの大切な時間を割って入ってきたのは

俺の携帯の通知音で、それを嫌々手に取ると

優太からの新着メッセージが入っていた。



優太:明後日いつもの4人で飯行くぞ!



「Aさん、明後日って何してる?」

「明後日?土曜日だよね、特に何もしてないよ」

「じゃあ会える?」

「うん、大丈夫」



廉:Aさんと会うからパス、ごめん

優太:は!ジンの誕生日祝うんだって!来いよ!

優太;Aさんもできたら誘って!

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作者名:みょん氏 | 作成日時:2019年10月19日 15時

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