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付き合う前。
それこそ普通にメンバーとして楽屋で二人で話す事の中には、女の子の話もたくさんあった。
その時付き合っている女の子との相性の話や、男子高生かよ、っていうような下品な下ネタだっていっぱい話した。
だから、知ってる。
お互いにそういう事が嫌いじゃない事も。
「そうだよ。俺、やっぱり女の子好きだから」
嘘だよ。
�睫擇�好きだよ。
今まで付き合ったどんな女の子より。
�睫擇醗貊錣砲い觸峇屬�幸せなの。
一緒にいるだけで満たされて。
声を聞くだけで心が震えて。
その手に触れるだけで嬉しさでいっぱいになって。
泣きたくなるほど幸せなんだ。
そんなに好きなのに。
心と体の欲望はバラバラで。
体の欲はお互いではきっと満たせない。
今は大丈夫だと思えたって。
いつか破綻すると分かる。
好きだからこそ尚更。
「全然二人で出掛けたり出来なかったな」
�睫擇�ふと残念そうに口にした。
「伊野尾くんと一緒に行きたいトコ、たくさんあったのに」
「忙しかったもんね」
友人として出掛ける事と、恋人として出掛ける事。
同じ場所でもまるで違うと感じる事は、お互い恋愛経験者なのだからわかる。
�睫擇函悒如璽函戮箸靴峠亞櫃韻襪覆蕁△匹海世辰篤段未世隼廚┐燭蹐Α�
現に別れ話をしている今だって。
�睫擇汎鷽佑濃�間を共有している事を、どこかで嬉しく思っている俺がいる。
「………一緒に海、行きたかったな」
思わず俺の口から零れた言葉。
�睫擇肋�しだけ目を瞠ると、いたずらっぽく笑った。
「じゃあ、今から行く？」
「え、今から？」
もう夜も遅いし、それに寒いよ。
「俺も夜の海は滅多に行かないけど、だからこそ伊野尾くんと行きたい。今日は酒も飲んでないし、俺の車で行こう」
「行かないよ。�睫據¬斉�も仕事でしょ」
「だって明日からは俺ら恋人じゃないんだよ。最後にせめて恋人らしい思い出作ろうよ」
「夜の海で？」
「あはは、そうそう。特別感あるっしょ」
俺達はすぐさま店を出て、�睫擇亮屬燃い惴�かった。
俺はどこの海でも良いと言ったけど、�睫擇麓�分の大好きな地元の海へ連れて行ってくれるという。
俺との残念な思い出が残ったらイヤじゃないのかと尋ねたら、『伊野尾くんは特別だからいいんだ』と笑ってくれた。
いちばんじゃなくて、特別をくれるの？
いちばんに拘ってた俺に。
�睫擇瞭段未髻�
車の助手席で滲んでくる視界を必死に堪えた。
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作者名：たろう | 作成日時：2023年11月29日 21時
