プラトニック２ (ページ1)

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俺の赤い星　→ym ページ1

俺は山田涼介が嫌いだ。

そう気がついたのはいつだろう。

出会った頃は、特に何も思わなかった気がする。

まだ山田は小さなガキッころだったし、子供時代の３歳差は結構な開きで。

会話だって大した事ないし、そもそも接点だってそんなにはなかった。

なんの因果が同じグループでデビューして、そうして気がついたらあっと言う間に手の届かないお星サマみたいになっていた。

ぷにゅ吉なんて薮から呼ばれていた面影は、数年経ったら消えてなくなり、誰もが目を奪われる美貌とカリスマ性。

ストイックな性格も相俟って、色々な実力も人気も身につけていって。
それこそ本当に遥か遠くにいるスターだ。

同じグループにそんなスターがいるなんて。
すごい誇りだ。

と。

あいにく俺はそんな『お仲間大好きお花畑思考』は持ち合わせてはいなかった。

ただ劣等感ばかりが募る日々。

それでもはじめの頃はその劣等感は自分自身の不甲斐なさにばかり向けられていて、どうすれば自分の立ち位置を見つけていけるのかと、今思えば建設的にも考えていた。

グループのバックダンサーから抜け出せないまま何年も経ち、グループでの存在意義も見い出せないまま、大学を卒業して。

それでもアイドルという仕事を、自分なりに本腰入れて頑張ってみようかと。

そんな矢先。

ふと気がついた。

俺ひとり、山田にとって『必要のない』人間だと。

それは言葉や態度の端々に表れていた。

合わない視線。
作られた笑顔。
よそよそしい会話。

カメラが回れば、如何様にも仲良さげに振る舞うけれど、仕事が終われば山田の方から俺に関わることは皆無だった。

そりゃそうか。

あいつがひとり、このグループを引っ張って居た頃。
俺はのほほんと(決して楽ではなかったが)大学生活を送り、グループ活動を妨げこそすれ、役に立つ事など無かった。

あいつがソロデビューを打診され、精神的に参っていた時だって、力になったのは大ちゃんや髙木や、周りで支えていた他のメンバーで。

俺は後からその顛末を聞いたくらいだ。