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「涼介？」
何も言葉を発しない俺を気遣ってか、知念が顔を覗き込んできた。
「心配なら、知念も行ってきたら？」
「涼介は？」
「あんまり大勢で行ったって、出来る事なんてねえじゃん」
心配なのは俺も同じだ。
曲がりなりにも、グループのメンバーだ。
でも、素直な裕翔たちと違って、俺はまっすぐにあの人の楽屋に向かうことが出来なかった。
「涼介の代わりに、様子見てくる。すぐ戻って来るから」
俺の捻くれた気持ちを汲んだのか、知念はふわりと笑って席を立った。
食堂に取り残された俺。
そのまま食事を続ける気にもなれなかった。
あの人の事が心配な気持ちと。
素直に様子を見に行けない自分への苛立ち。
今日の舞台はどうなるんだろうという不安。
眼の前に残されたサラダと食べかけのハンバーグが、俺の事を責めているみたいだった。
暫くして、知念が戻ってきた。
「いのちゃん、タクシーでマネージャーと病院行ったよ。最近ずっと、風邪気味だったって。楽屋で急に倒れて少しの間意識無かったから、宏太たちも慌てたみたい」
救急車じゃなくてタクシーって事は、そこまで急を要する感じじゃなかったのか。
まあ、それなら。
一安心かも、だけど。
少しだけほっとしたら、さっき不安になった分だけ苛々が募ってきた。
そもそも。
大事な舞台の仕事中に体調崩すとか、何やってんだよ。
こんな事言ったら何だけど、あの人仕事ほぼこれだけじゃん。
自己管理も出来ないとか、適当すぎんだろ。
俺の顔にあからさまに描いてある不機嫌に、知念がひとつ、溜息をついた。
「涼介。そんな顔、いのちゃんの前でしないでよ」
「だってさ、意識低すぎんだろ」
「いのちゃん、舞台出る気だったよ。多分点滴受けたらすぐ戻ってくるはず」
「え、出れんの？」
「知らないけど。病院行くのも渋ってて、周りに謝り倒してたから。あんまり熱も高いし、フラフラしてたから、マネージャーが無理やり引きずってったの」
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たろう(プロフ) - 雪音さん» なんて嬉しいコメント！ありがとうございます。なかなか思ったように書けないなりにも、読んで頂いて感想まで頂いてホントに嬉しいです。気まぐれ更新ですが、またお目通し頂ければ嬉しいです。 (1月25日 22時) (
レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 最後の2人が仲直りするシーンで感動して泣きそうになりました。たろうさんの書くお話いつも楽しみにしてます！ (1月25日 20時) (レス) id: 287eadd06c (このIDを非表示/違反報告)
たろう(プロフ) - サツキさん» ありがとうございます。これからもサツキさんに読んでいただけるように、頑張って更新したいと思います。 (1月24日 23時) (レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
サツキ(プロフ) - 返信ありがとうございます！ヤバいです！たろうさんに読んでいただけていたとは…。なんか、ものすごく気恥ずかしいです💦たろうさんの紡ぐ綺麗な文が大好きです。お忙しい中とは思いますが、いろいろお話を楽しみにしています。 (1月24日 21時) (レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
たろう(プロフ) - サツキさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しくて勿体無いお言葉を……（涙）。私もサツキさんの小説を楽しみに読んでいた読者なので、サツキさんからコメント頂けて嬉しいです。ホントにタダの自己満足の文章を読んで頂けて、嬉しい限りです。 (1月24日 21時) (レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たろう | 作成日時：2023年12月15日 18時
