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俺の好きな人はとても綺麗だ。
繊細で白い肌。
すっと通った鼻梁に、主張し過ぎない形の良い鼻。
少し垂れ気味でくっきりと二重の刻まれた魅力的な瞳。
桜色の唇は特に下唇がぷっくりとして非常に魅惑的。
総じて可愛らしい顔立ちに似つかわしくない、キリッとあがった眉毛。
声も顔も『アイドル』然としているのに、時にクレバーで、時に大胆で。
争い事は好まないし、あまり主張する事もない。
けれど気がついたらその術中に嵌まっている事もしばしば。
アイドルのくせに下ネタは相変わらず言うし、偽悪的なキャラクターをしっかり守って口は悪いし、夜中にラーメンなんて食べて、顔をブクブク浮腫ませてヒドイ顔で画面に出てる事もある。
恋人の前でメンバーとベタベタいちゃいちゃ、『それって距離近過ぎない？』て思う事も多いし、なんならそれが無自覚でタチが悪い。
本当は自分に自信が無いのも相変わらず。
全部が愛しい。
伊野尾ちゃんと気持ちが通じ合って、一緒にいようと誓い合って、あれから数年。
世の中には変な感染症が流行ったり、ずっとあるものと思っていた事務所が無くなったり、色々な事があった。
それでも俺達は、確かに一緒にいる。
流行の移り変わりは早いけれど、世の中の人の頭の中はあんまり以前と変わりなくて。
まだまだ望む通りの未来は訪れないだろう。
でも。
少なくとも近しい人達は、ゆるゆると温かい目で俺達を見守ってくれている。
それは知念であり、雄也であり、いつの間にか察してくれていたメンバーであり。
気付けば以前からついてくれているマネージャーや事務所のスタッフも、俺達二人をやんわりとフォローしてくれるようになった。
「今日、何食べたい？伊野尾ちゃん」
自分の車に乗り込んで、シートベルトを手に取りながら、助手席に滑り込んで来た恋人に声を掛ける。
「んー、お前が作るメシ、何でも美味いからね」
基本的に恋人の口から出る言葉は、他人に対してはいつも肯定的。
そこが好き。
「伊野尾ちゃんのそういうトコ、好き」
途端に真っ赤になる頬と耳。
結構な数恋愛を経験しているだろうに、こういう初心なトコロが、たまらなく好き。
「やまだ」
俺の名前を呼ぶ特別な唇に、俺はそっと自分の唇を寄せた。
了
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たろう(プロフ) - 雪音さん» なんて嬉しいコメント！ありがとうございます。なかなか思ったように書けないなりにも、読んで頂いて感想まで頂いてホントに嬉しいです。気まぐれ更新ですが、またお目通し頂ければ嬉しいです。 (1月25日 22時) (
レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 最後の2人が仲直りするシーンで感動して泣きそうになりました。たろうさんの書くお話いつも楽しみにしてます！ (1月25日 20時) (レス) id: 287eadd06c (このIDを非表示/違反報告)
たろう(プロフ) - サツキさん» ありがとうございます。これからもサツキさんに読んでいただけるように、頑張って更新したいと思います。 (1月24日 23時) (レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
サツキ(プロフ) - 返信ありがとうございます！ヤバいです！たろうさんに読んでいただけていたとは…。なんか、ものすごく気恥ずかしいです💦たろうさんの紡ぐ綺麗な文が大好きです。お忙しい中とは思いますが、いろいろお話を楽しみにしています。 (1月24日 21時) (レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
たろう(プロフ) - サツキさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しくて勿体無いお言葉を……（涙）。私もサツキさんの小説を楽しみに読んでいた読者なので、サツキさんからコメント頂けて嬉しいです。ホントにタダの自己満足の文章を読んで頂けて、嬉しい限りです。 (1月24日 21時) (レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たろう | 作成日時：2023年12月15日 18時
