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「話聞こうと思ってこの間飲みに誘ったら、もうべろべろになっちゃって。『言わなきゃ良かった』『悪い事した』『俺は最低だ』って、そればっかり。まぁ、本人は覚えてないだろうけど」
雄也は顔を上げて俺を見た。
「あの人、基本自分以外にはすげえ肯定的じゃん。俺の事だって良く褒めてくれるし、他のメンバーの事もさ。んで、山田の事は昔から、超褒めてくんだよ、伊野尾くん。本人に言えば良いのに、そのへん素直じゃないんだよね」
まあ確かに、ガヤで褒めてくれる事はあっても、面と向かって言われた事はあまり記憶にない。
「照れんだろうね、多分。……山田が伊野尾くんのココロの深い所に居るからじゃない？本音を曝すのが苦手な人だから」
「深い…ところ」
確かに。
心の奥の奥までは、絶対に見せてくれないんだ。
あの人は。
「なのに急に最近山田の話をしなくなって、思い詰めた顔してたからさ。お前となんかあったんじゃないかと思って。んで、今日トイレで……泣いてたろ？あの人。隠してたけど。だから早とちりしてお前にキツく言っちゃって。ホント、ごめん」
雄也はもう一度、俺に頭を下げた。
「…いや、俺が悪いから…」
雄也の男らしい手が俺の頭に伸びる。
距離が近いと言われるうちのグループにあって、余り過剰なスキンシップをはからない雄也が、俺の髪をぐしゃぐしゃとかき混ぜた。
まるで、頭を撫で回すみたいに。
「伊野尾くんと山田の事は、正直なトコ分かんないけどさ。お互いが幸せなら、それがいいんじゃね？周りがなんと言おうとさ」
「雄也……」
「お前ら二人が覚悟決めて幸せになる選択をするんなら、それが世間的には許されなくたって、俺は絶対援護するから」
それは、つまり。
知念と同じように、雄也も味方になってくれるって事？
「……はは、最強じゃん」
「だろ？ていうか、お前ら自分で思ってるより分かり易いからな。ふたりとも」
俺の肩にポンと手を置いて、雄也は苦笑した。
「似てないようで、どっか似てるよ。お前ら」
じゃ。
俺の親友の伊野尾くん、これ以上泣かすなよ。
そう言って、雄也は楽屋を出て行った。
知念も雄也も。
最高の援護射撃じゃん。
伊野尾ちゃん。
俺達の味方、いるよ。
最高に心強い味方が。
だから。
心の深いトコロ、俺に見せてよ。
不安も怖れも、全部俺に打ち明けてよ。
今度はちゃんと守ってみせるから。
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たろう(プロフ) - 雪音さん» なんて嬉しいコメント！ありがとうございます。なかなか思ったように書けないなりにも、読んで頂いて感想まで頂いてホントに嬉しいです。気まぐれ更新ですが、またお目通し頂ければ嬉しいです。 (1月25日 22時) (
レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 最後の2人が仲直りするシーンで感動して泣きそうになりました。たろうさんの書くお話いつも楽しみにしてます！ (1月25日 20時) (レス) id: 287eadd06c (このIDを非表示/違反報告)
たろう(プロフ) - サツキさん» ありがとうございます。これからもサツキさんに読んでいただけるように、頑張って更新したいと思います。 (1月24日 23時) (レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
サツキ(プロフ) - 返信ありがとうございます！ヤバいです！たろうさんに読んでいただけていたとは…。なんか、ものすごく気恥ずかしいです💦たろうさんの紡ぐ綺麗な文が大好きです。お忙しい中とは思いますが、いろいろお話を楽しみにしています。 (1月24日 21時) (レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
たろう(プロフ) - サツキさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しくて勿体無いお言葉を……（涙）。私もサツキさんの小説を楽しみに読んでいた読者なので、サツキさんからコメント頂けて嬉しいです。ホントにタダの自己満足の文章を読んで頂けて、嬉しい限りです。 (1月24日 21時) (レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たろう | 作成日時：2023年12月15日 18時
