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「山田。何があった？伊野尾くんに、何した？」
その口調には珍しく怒気が含まれていて、俺は咄嗟に答えられない。
「……ち、がう。�睫據�あんまり山田がしつこく痩せた痩せた言うから、大人げなく俺がつっかかっただけ」
寄り掛かっていた雄也から体を離して、伊野尾ちゃんが顔を上げた。
もうすでに、いつもの伊野尾ちゃんだ。
「伊野尾くん」
「ごめんな、山田。�睫據△△蠅�と」
ポン、と雄也の肩に手を置いて、再びトイレを出ようとする伊野尾ちゃん。
その体がガクンとよろけて、再び雄也に倒れ込んだ。
「伊野尾くん？」
「伊野尾ちゃん！」
「わ、ごめ…、なんかぐらぐらする。ヤバい」
雄也に支えられて、やっとの事で立っている伊野尾ちゃんの顔色は真っ青だった。
「大丈夫？伊野尾くん。気分悪い？」
「……貧血かも。悪い、�睫據�
「楽屋、戻ろうか」
伊野尾ちゃんを脇から抱え込むようにして、雄也が体勢を整えた。
「俺も」
伊野尾ちゃんの方に差し伸べた手は、雄也の鋭い視線に阻まれた。
「俺が連れてくから」
“お前は触れるな。
こうなった原因はお前だろう。”
言外にそう告げている。
「山田、ごめんね」
ひりついた空気を察知したのか、伊野尾ちゃんが真っ青の顔のまま俺に謝った。
いつも通りの伊野尾ちゃんの表情だった。
雄也に支えられながら、ふらふらと伊野尾ちゃんは楽屋に戻って行った。
俺は暫くトイレの入口に立ち尽くしていた。
伊野尾ちゃんを抱き締めた感覚が、まだ腕の中にある。
俺は伊野尾ちゃんをまた守れなかった。
また、傷付けた。
それでも。
貴方の一番側にいて、支えるのは俺でありたい。
他の誰でもない。
誰にも譲りたくない。
伊野尾ちゃん。
俺はやっぱり、貴方が大好きなんだ。
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たろう(プロフ) - 雪音さん» なんて嬉しいコメント！ありがとうございます。なかなか思ったように書けないなりにも、読んで頂いて感想まで頂いてホントに嬉しいです。気まぐれ更新ですが、またお目通し頂ければ嬉しいです。 (1月25日 22時) (
レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 最後の2人が仲直りするシーンで感動して泣きそうになりました。たろうさんの書くお話いつも楽しみにしてます！ (1月25日 20時) (レス) id: 287eadd06c (このIDを非表示/違反報告)
たろう(プロフ) - サツキさん» ありがとうございます。これからもサツキさんに読んでいただけるように、頑張って更新したいと思います。 (1月24日 23時) (レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
サツキ(プロフ) - 返信ありがとうございます！ヤバいです！たろうさんに読んでいただけていたとは…。なんか、ものすごく気恥ずかしいです💦たろうさんの紡ぐ綺麗な文が大好きです。お忙しい中とは思いますが、いろいろお話を楽しみにしています。 (1月24日 21時) (レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
たろう(プロフ) - サツキさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しくて勿体無いお言葉を……（涙）。私もサツキさんの小説を楽しみに読んでいた読者なので、サツキさんからコメント頂けて嬉しいです。ホントにタダの自己満足の文章を読んで頂けて、嬉しい限りです。 (1月24日 21時) (レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たろう | 作成日時：2023年12月15日 18時
