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◆
「その顔は……玉砕したのかな」
東京に戻って暫く個人の仕事が続いて、メンバーと顔を合わせる事が無かった。
久々に知念から連絡があって、一緒にご飯に行く約束をして。
顔を合わせて開口一番、知念はそう言った。
「うん、まあ。そうだね」
玉砕。
と、いうか。
知念の希望で豚しゃぶの専門店。
個室で設えも良くて、こうしてあまり周りに聞かれたくない話も気兼ねなく出来る。
「歯切れが悪いね」
俺が呑水によそった豚肉と野菜を一旦横に避けて、テーブルの上に手を組んだ知念。
「まあ。うん」
これは話が終わるまで、鍋にはありつけないだろう。
まあ俺もさしてお腹が空いているわけでもない。
沸いている出汁の火を一旦止めて、俺も知念と同じように、テーブルの上で両手を組んだ。
「俺さ、当たって砕ける気で告白するって言ってたじゃん」
「うん、言ってたね」
「あれね、伊野尾ちゃんに見抜かれてた」
知念は神妙な顔で先を促した。
「最初から振られる気持ちで告る奴に、そもそも気持ち動かされるわけ無いよな」
「てことは、『男だから』とか、『メンバーだから』とかいう月並みな理由で振られたわけじゃないんだね」
本当に。
どこまでも察しが良くて賢い男だね、知念は。
「………嬉しいって。嬉しかったって、言ってくれたんだ。伊野尾ちゃん」
でも。
恋人同士にはなれなかった。
気持ちは通じ合ったのに。
始まる前に終わってしまった。
「伊野尾ちゃんは『自分が臆病だから』って言ってたけど……、俺もそうだよな。俺のほうがよっぽど……」
『当たって砕ける』なんて予防線を張って。
ただ自分の気持ちをスッキリさせたくて。
一方的にダメ元みたいな告白をして。
伊野尾ちゃんをきっと、傷付けた。
「二人の間の事は僕には分からないけど」
俺を気遣うように柔らかい声で、知念は続けた。
「もし涼介の言うように、いのちゃんが涼介の想いを嬉しく思って、それでも涼介の事を振ったんなら………辛かったろうね」
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たろう(プロフ) - 雪音さん» なんて嬉しいコメント！ありがとうございます。なかなか思ったように書けないなりにも、読んで頂いて感想まで頂いてホントに嬉しいです。気まぐれ更新ですが、またお目通し頂ければ嬉しいです。 (1月25日 22時) (
レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 最後の2人が仲直りするシーンで感動して泣きそうになりました。たろうさんの書くお話いつも楽しみにしてます！ (1月25日 20時) (レス) id: 287eadd06c (このIDを非表示/違反報告)
たろう(プロフ) - サツキさん» ありがとうございます。これからもサツキさんに読んでいただけるように、頑張って更新したいと思います。 (1月24日 23時) (レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
サツキ(プロフ) - 返信ありがとうございます！ヤバいです！たろうさんに読んでいただけていたとは…。なんか、ものすごく気恥ずかしいです💦たろうさんの紡ぐ綺麗な文が大好きです。お忙しい中とは思いますが、いろいろお話を楽しみにしています。 (1月24日 21時) (レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
たろう(プロフ) - サツキさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しくて勿体無いお言葉を……（涙）。私もサツキさんの小説を楽しみに読んでいた読者なので、サツキさんからコメント頂けて嬉しいです。ホントにタダの自己満足の文章を読んで頂けて、嬉しい限りです。 (1月24日 21時) (レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たろう | 作成日時：2023年12月15日 18時
