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「じゃあ……俺と、その…」
思いが一緒なら。
お互いに恋愛感情で好きなんだったら。
「付き合っ……」
「やまだの事は好きだけど」
『付き合って欲しい』と言おうとした俺を、遮った伊野尾ちゃん。
「お前とどうこうなるつもりはない」
え。
何で。
だって俺達両想いでしょ？
「今まで通り、ただのメンバーの関係でいたい」
「な……んで。だって、俺は伊野尾ちゃんの事好きだし、伊野尾ちゃんだってそうなんだよね？」
好き同士なんだったら、恋人同士になるのが普通じゃないの？
男同士だし、メンバーだけど。
だからこそ、お互いに同じ想いを持ってるなんて、奇跡みたいな話だよ？
気持ちを確認し合って、はい、おしまいなんて。
「納得いかないんだけど」
思ったより低い声が出た自分に少し驚く。
でも、両想いだと喜んだ自分の感情を持て余して、伊野尾ちゃんを責める気持ちが抑えられない。
「うん。ごめん」
「謝って欲しいわけじゃない。理由を訊いてる」
相変わらず、手を握り締めている伊野尾ちゃん。
力を入れすぎて、普段以上に真っ白だった。
「俺とやまだはまるで違う考え方の持ち主だけど、でもよく似てると思ってるところが１つだけあって」
声は震えているけど、伊野尾ちゃんは俺の目をしっかりと見て逸らさない。
「俺もやまだもすげぇリアリストだろ。違う？」
知念にも言われた。
現実主義者だって。
「ち…がわないけど、だから何？」
俺と伊野尾ちゃんが両想いの現実がちゃんとあんじゃん。
今、お互いにその気持ちを確かめたじゃん。
「リアリストだから、周りが何を望んでるか、何をしたらダメなのか、何が正しいのか。良く分かるだろ」
何が出来て、何が許されて。
何が、求められているのか。
「俺は、怖いよ。この気持ちをこのまま抱えていて、たくさんの人の期待を裏切って、たくさんの可能性を裏切って、たくさんの人に……失望されることが」
男同士だから。
アイドルだから。
メンバーだから。
「……でも、俺は…」
せっかくお互いの気持ちが分かったのに。
それで終わりなの？
好きな人と付き合って。
デートをしたり、抱き合ったり。
そういう事を。
俺は、伊野尾ちゃんと。
想像、しただろうか。
今まで付き合って来たコと同じように、恋人同士のような時間を過ごす事を。
夢、見ただろうか。
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たろう(プロフ) - 雪音さん» なんて嬉しいコメント！ありがとうございます。なかなか思ったように書けないなりにも、読んで頂いて感想まで頂いてホントに嬉しいです。気まぐれ更新ですが、またお目通し頂ければ嬉しいです。 (1月25日 22時) (
レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 最後の2人が仲直りするシーンで感動して泣きそうになりました。たろうさんの書くお話いつも楽しみにしてます！ (1月25日 20時) (レス) id: 287eadd06c (このIDを非表示/違反報告)
たろう(プロフ) - サツキさん» ありがとうございます。これからもサツキさんに読んでいただけるように、頑張って更新したいと思います。 (1月24日 23時) (レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
サツキ(プロフ) - 返信ありがとうございます！ヤバいです！たろうさんに読んでいただけていたとは…。なんか、ものすごく気恥ずかしいです💦たろうさんの紡ぐ綺麗な文が大好きです。お忙しい中とは思いますが、いろいろお話を楽しみにしています。 (1月24日 21時) (レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
たろう(プロフ) - サツキさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しくて勿体無いお言葉を……（涙）。私もサツキさんの小説を楽しみに読んでいた読者なので、サツキさんからコメント頂けて嬉しいです。ホントにタダの自己満足の文章を読んで頂けて、嬉しい限りです。 (1月24日 21時) (レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たろう | 作成日時：2023年12月15日 18時
