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告白を実行する機会は、すぐに訪れた。
番組の企画で少し遠い温泉地まで２人でロケに行くことになったのだ。
ゲスト出演者である芸人さんも一緒だけど、宿泊先の旅館は幸い俺と伊野尾ちゃんが同じ部屋になっていた。
ロケの翌日は俺の仕事の都合で、俺だけ朝イチで帰京する事になっている。
伊野尾ちゃんが俺をきちんと振ってくれた後でも、お互い気まずくならなくて済む。
タイミング的にも、ちょうど良い。
旅館の露天風呂の撮影も、夕食の撮影も終わって、各々の部屋に戻ることになった。
番組の企画になるだけあって風情のある部屋。
古い建物でもあり、伊野尾ちゃんは部屋に戻っても頻りに天井の意匠や欄間などを見ては興味深そうな顔をしていた。
今では大学で学んだ建築を武器にして、そういう関係の仕事もしている伊野尾ちゃん。
あの時大変な思いをして大学に通って卒業して、こうして何年越しかでそれをちゃんと仕事に結び付けている。
やっぱりこの人は、適当なんかじゃない。
俺の好きになった、この綺麗な人は。
「伊野尾ちゃん、お茶でも飲む？」
「お、まさかやまだが淹れてくれんの？」
「俺飲みたいから」
「じゃあ、大スター山田涼介様に茶入れてもらお。そんで自慢してやろ」
「ぷはっ、誰にだよ」
「大ちゃんとか？」
「メンバーかい」
「薮とか？」
「いや、だからメンバー」
本当に。
こんな風に話せるようになるなんて。
数年前の俺は思わなかった。
伊野尾ちゃん。
俺が伊野尾ちゃんに告っても。
今まで通り、こうやって話してくれる？
座卓を挟んで俺の向かいに座った伊野尾ちゃんは、はふはふ言いながら、両手で湯呑みを持って俺が淹れたお茶を飲んでいる。
あざとい。
というか、可愛い。
やっぱり一度『好き』を自覚すると、我ながら際限なくハマっていく性格してんだな、俺。
隠しておくにも限界なんだろう。
「伊野尾ちゃん」
少しだけ真剣な響きを混ぜて、名前を呼ぶ。
敏いこの人は、それだけでゆるっとしていた頬を引き締めて俺を見た。
「俺、話ある」
「やまだが俺に？」
少し猫背気味だった体勢を整えて、俺に正対する。
俺もきちんと姿勢を正した。
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たろう(プロフ) - 雪音さん» なんて嬉しいコメント！ありがとうございます。なかなか思ったように書けないなりにも、読んで頂いて感想まで頂いてホントに嬉しいです。気まぐれ更新ですが、またお目通し頂ければ嬉しいです。 (1月25日 22時) (
レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 最後の2人が仲直りするシーンで感動して泣きそうになりました。たろうさんの書くお話いつも楽しみにしてます！ (1月25日 20時) (レス) id: 287eadd06c (このIDを非表示/違反報告)
たろう(プロフ) - サツキさん» ありがとうございます。これからもサツキさんに読んでいただけるように、頑張って更新したいと思います。 (1月24日 23時) (レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
サツキ(プロフ) - 返信ありがとうございます！ヤバいです！たろうさんに読んでいただけていたとは…。なんか、ものすごく気恥ずかしいです💦たろうさんの紡ぐ綺麗な文が大好きです。お忙しい中とは思いますが、いろいろお話を楽しみにしています。 (1月24日 21時) (レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
たろう(プロフ) - サツキさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しくて勿体無いお言葉を……（涙）。私もサツキさんの小説を楽しみに読んでいた読者なので、サツキさんからコメント頂けて嬉しいです。ホントにタダの自己満足の文章を読んで頂けて、嬉しい限りです。 (1月24日 21時) (レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たろう | 作成日時：2023年12月15日 18時
