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どれだけ時間が経ったのだろう。
いつの間にか嗚咽は止んで、規則正しい寝息が聞こえてきた。
やっと眠れたんだ。
自分の事のように、ほっとした。
マネージャーにトマトを買って来て貰うようにメッセージを送る。
納豆は楽屋で食べられても厄介だし、トマトくらいなら彼も口にしやすいだろうから。
他のメンバーが次々に楽屋入りする時間になった。
疲れ切っているからだろう、一度寝入った彼が目を覚ます様子は無い。
大ちゃんが最後に入って来て、物珍しげに彼を覗き込んだ。
そしてホッとした顔をする。
「いのちゃん、ちゃんと寝てんだね。良かった」
大ちゃんも最近の彼の様子を心配していたのだろう。
本当に、誰にも頼らない人だ。
ローテーブルに置いてあるトマトを目敏く見つけて、大ちゃんがくすりと笑った。
「これ、いのちゃん？」
「ああ。マネージャーが買って来た」
俺が頼んだ事は、気恥ずかしかったから言わなかった。
「何年か前、大ちゃんが俺に苺をくれた事あったよね？」
すると少し考え込んだ大ちゃんは、得心したように頷いた。
「ああ、あれな」
「好きな物、食べたい物が一番栄養になるって」
あの時の苺は、今まで食べた中で一番美味しかった。
美味しくて、嬉しかった。
「あれ、俺じゃないよ」
「嘘だぁ。俺は大ちゃんから貰ったよ」
「食べろって言ったのは俺だけど。買ってきたのはいのちゃんだよ」
「え、伊野尾ちゃん？」
「そう。大学も忙しくて山田の為に何にもしてやれないから、せめて好物でも差し入れしてやるって。食欲なくても、苺なら食べられるんじゃないかって」
「伊野尾ちゃんが……？」
「だから、そうだって。お前が喜んで食べてたって伝えたら、毎回色んな苺買って来て楽屋に置いてたんだよ」
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たろう(プロフ) - 雪音さん» なんて嬉しいコメント！ありがとうございます。なかなか思ったように書けないなりにも、読んで頂いて感想まで頂いてホントに嬉しいです。気まぐれ更新ですが、またお目通し頂ければ嬉しいです。 (1月25日 22時) (
レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 最後の2人が仲直りするシーンで感動して泣きそうになりました。たろうさんの書くお話いつも楽しみにしてます！ (1月25日 20時) (レス) id: 287eadd06c (このIDを非表示/違反報告)
たろう(プロフ) - サツキさん» ありがとうございます。これからもサツキさんに読んでいただけるように、頑張って更新したいと思います。 (1月24日 23時) (レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
サツキ(プロフ) - 返信ありがとうございます！ヤバいです！たろうさんに読んでいただけていたとは…。なんか、ものすごく気恥ずかしいです💦たろうさんの紡ぐ綺麗な文が大好きです。お忙しい中とは思いますが、いろいろお話を楽しみにしています。 (1月24日 21時) (レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
たろう(プロフ) - サツキさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しくて勿体無いお言葉を……（涙）。私もサツキさんの小説を楽しみに読んでいた読者なので、サツキさんからコメント頂けて嬉しいです。ホントにタダの自己満足の文章を読んで頂けて、嬉しい限りです。 (1月24日 21時) (レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たろう | 作成日時：2023年12月15日 18時
