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今だらりとソファに体を預けているこの人が、その時の自分と重なる。
ひりひりとした緊張感をこの人から感じた。
多分、目を閉じているけど、寝たフリだろう。
疲れているのに神経だけがやたらと冴えて張り詰めて、きっと眠れないんだ。
痛いほど、わかる。
かつての俺がそうだったから。
「だいぶ疲れてんね、伊野尾ちゃん。寝れてないでしょ？」
なぜ声をかけようと思ったのか、自分でも分からない。
でも、どうしても放っておけない。
そう思った。
「や…まだ…？あ、ごめん、ソファ？座る？」
俺に唐突に声をかけられて、はっと目を開いた彼は、慌てて体を起こそうとする。
「違うよ。そのまま寝てて」
焦ったようにソファを譲ろうとした彼。
こんな時にも自分の事は二の次にするのか。
そんな姿に、心の何処かがチリ、とする。
苛々とも違う、やるせない気持ち。
「……疲れすぎると眠れないよね」
彼の肩をソファに押し戻して、心の中の自分の気持ちに名前をつけようとしたけれど、思いつかない。
彼が、心配、なんだ。
ただ、それだけ。
「今朝早かったからね。そんな疲れる程仕事してねーし」
大人しくソファに体を預け直したものの、その口から出るのは相変わらず自虐的な言葉。
どうしてそんなに自分自身を痛めつける必要があるのだろう。
「最近の伊野尾ちゃんの仕事の詰め込み具合は異常だもん。疲れるに決まってるでしょ」
相手が俺以上に捻くれているせいか、自分の口からは思った以上に素直な言葉がこぼれていた。
「……やっと人並みに仕事してんじゃね？今までサボりすぎたんだよ」
どこまで彼は捻くれているのか。
ずきん、と。
その口から出てくる自虐の言葉に、俺は傷付いた。
俺も、彼の事をそう思っていた時期があったから。
でも。
今なら違うと分かっている。
彼が周りに弱音も愚痴も吐かず、一人で色々なものと闘って努力していた事を知っている。
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たろう(プロフ) - 雪音さん» なんて嬉しいコメント！ありがとうございます。なかなか思ったように書けないなりにも、読んで頂いて感想まで頂いてホントに嬉しいです。気まぐれ更新ですが、またお目通し頂ければ嬉しいです。 (1月25日 22時) (
レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 最後の2人が仲直りするシーンで感動して泣きそうになりました。たろうさんの書くお話いつも楽しみにしてます！ (1月25日 20時) (レス) id: 287eadd06c (このIDを非表示/違反報告)
たろう(プロフ) - サツキさん» ありがとうございます。これからもサツキさんに読んでいただけるように、頑張って更新したいと思います。 (1月24日 23時) (レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
サツキ(プロフ) - 返信ありがとうございます！ヤバいです！たろうさんに読んでいただけていたとは…。なんか、ものすごく気恥ずかしいです💦たろうさんの紡ぐ綺麗な文が大好きです。お忙しい中とは思いますが、いろいろお話を楽しみにしています。 (1月24日 21時) (レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
たろう(プロフ) - サツキさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しくて勿体無いお言葉を……（涙）。私もサツキさんの小説を楽しみに読んでいた読者なので、サツキさんからコメント頂けて嬉しいです。ホントにタダの自己満足の文章を読んで頂けて、嬉しい限りです。 (1月24日 21時) (レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たろう | 作成日時：2023年12月15日 18時
