20日目 in ページ47
今日は久しぶりに歌番組の収録。
足の調子もだいぶ戻って、激しい振り付けで無ければ問題なく踊れる。
カメリハを待つ楽屋の、相変わらずの賑やかさが心地良い。
チーフマネージャーに経緯を告白してから、暫くして状況がバタバタと変わっていった。
一番の懸念であった例の写真に関しては、事務所がお世話になっている弁護士から、俺への強要の件でヤスカワの会社に連絡が行き、穏便に済ませるかわりに写真のデータを消去してもらった。
俺としてはヤスカワ個人にただ写真を消してもらえれば良かったが、薮が断固として会社を通して欲しい旨を伝え、結果ヤスカワは会社に居られなくなり、退職を余儀なくされたらしい。
もう一人、写真のデータを持っている北崎統括に関しても、事務所の上層部から詰問され、俺のものや、俺以外の全てのいかがわしいデータに関しても、全てのデータを破棄させられた。
北崎は他にも会社の金を流用していたり、弱い立場の制作会社に便宜を強要していたり、こちらもろくなものでは無かったようで、いつの間にか会社から居なくなっていた。
こちらはチーフマネージャーが色んな所から情報を掻き集め、上層部に掛け合って北崎に言い逃れの機会を与えないようにしたらしい。
『あいつ嫌いだったから、清々した。良い機会だったわ』と、相変わらず仕事の出来るマネージャーは笑っていた。
野田は、勤めていた会社を辞めたらしいと薮から聞いた。
本当に、俺は周りに恵まれていると感じる。
目の前には、俺の大好きなメンバー。
山田も。
知念も。
裕翔も。
大ちゃんも。
�睫擇癲�
光も。
薮も。
きっとそれぞれ、闘っているんだろう。
俺だけじゃない。
俺が俺自身を認めてやるには、まだ時間はかかるかもしれないけれど。
今までこいつらと一緒にやってこられた事だけは誇りに思える。
『そういえば、伊野尾』
マネージャーに言われた事を思い出す。
『この２か月、お前に詰め込んでた仕事な。全部が全部、北崎さんの押し付けじゃないからな』
『どういう事？』
『伊野尾じゃなきゃダメだっていう仕事だって、結構な数あったんだからな。それを忘れるなよ』
取り敢えず、今日の収録をきちんと頑張ろう。
今日、みんなと一緒に仕事が出来る事に感謝しよう。
照れくさくて直接は言えないから。
これからゆっくりと返していこう。
みんなへの俺の感謝と愛情を。
了。
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たろう(プロフ) - ぽんたさん» コメントありがとうございます。私も病系をよく読んでしまいます。拙い文章読んで頂いてありがとうございました。 (2023年1月25日 20時) (
レス) id: ad9f11bcb3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんた(プロフ) - 連載お疲れ様でした！精神的にも身体的にも弱った伊野尾くんが凄く好きでした。 (2023年1月25日 19時) (レス) @page49 id: 26174ade27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たろう | 作成日時：2022年12月24日 20時
