ライオン先輩と猫ちゃん (ページ6)

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三人で歩く帰り道。

歩道が狭いから必然的に横並びでは歩けない。

いつもなら絶対隣にお兄ちゃんがいるのに。

今は樹先輩が隣を歩いている。

自然と車道側を歩いてくれるし、時折腕が触れ合う。

今薄暗くてよかった…。
まともに先輩の顔見れない。

樹「なぁんでそんなに静かなの」

『あ、いや…』

樹「まだ慣れない？」

『…はい』

静かに話し始める私たちに、心なしかお兄ちゃんが耳を傾けている。

樹「俺のこと"じゅったん"って呼んでくれていいんだけどなあ～」

『それはちょっと…』

樹「でも聞いたよ、しょっぴーのことはしょったでしょ？」

『…そうです』

樹「いやびっくりしたよ。しょっぴーが言ってた猫ちゃんが北斗の妹だってさぁ～

　そもそも幼馴染なのもびっくりだよ」

北「まあ言ってなかったからなあ
　目立ちたくないし」

樹「でも猫ちゃんは可愛いからそうじゃなくても目立ってたよ」

『そんなことないです。』

北「Aは可愛いぞ～俺の妹だもん」

『…』

やっぱりお兄ちゃんの撫でる手は気持ちよくて思わず目を瞑る。

樹「…北斗がデレデレしてるのもレアだけど、やっぱ猫ちゃんは猫だね」

北「もうバレたからには隠さないよ」

樹「全然キャラちげぇじゃん(笑)」

北「俺にはAにしか見せないお兄ちゃんの顔があるからね」

『じゃあ私はお兄ちゃん独り占めだ』

北「…何可愛いこと言ってるの！んもう！」

『お兄ちゃん気持ち悪いよ』

北「へ！？うそ、そんなことないよね？ね？」

一人でバタバタ暴れ出したお兄ちゃんを、何故か嬉しそうに見つめる先輩。

…ほんとに仲良いんだな。

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