ライオン先輩と猫ちゃん (ページ47)

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大「ほしい？」

『…欲しいです』

絶対喜ぶと思ったんだよね〜って、満足そうに私の手に乗せてくれた。

…可愛い。

樹「なぁに嬉しそうな顔してんの。」

『嬉しいですもん』

樹「よかったですね〜」

大「俺の猫ちゃんだから俺に懐いてるもんね」

不貞腐れた樹先輩と、勝ち誇った顔のきょも先輩。

そんなことをしている間にもう教室。

いつも通りきょも先輩はハグを
樹先輩は頭を撫でて別れた。

いつまで経っても二人のスキンシップには慣れない。

きょも先輩は完全に私のことを猫だと思っているんだろうけど…

樹先輩のスキンシップは心臓に悪い。

キーホルダーとは別の手に握られたあの紙。

…行かないと…いけないよね…。

放課後がいつもより憂鬱だ。

そう思えば思うほどに時間が過ぎるのが早いと思ってしまうようで。

大好きな昼休みの時間も授業も全てが早かった。

…もう放課後じゃん。

深呼吸をしながら屋上に向かう階段を登る。

誰がいるんだろう。何を言われるんだろう…。

もしかして樹先輩の友達とか…
俺の友達に近づくなよ芋女。みたいなこと…？

そんな考えを消すように頭を振る。

『ひゃっ！！！』

すると突然後ろから手を引かれた。

『…せんぱ、い』

樹「…ん。」

私が階段の上の段にいるから
いつもの樹先輩との身長差は消えて、少し私が高くなっている。

顔が見えないし、少し息切れしてる。

『どうしたんですか…？』

樹「……くな。」

『へっ？』

樹「行くなよ。A…」

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