ライオン先輩と猫ちゃん (ページ45)

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お兄ちゃんは前に、樹先輩と私はその後ろについて歩く。

やっぱりこの道は狭いから自然と距離が近い。

さらっとたまに当たる手の甲がもどかしい。

ふっ、先輩に笑われる。

頭にハテナが浮かぶ中、見つめられながらギュッと手を握られる。

前にお兄ちゃんがいるからいつもより恥ずかしい。

振り向いて、繋いでる手を見たら
お兄ちゃんはどんな反応をするんだろう。

側から見たら先輩と私はカップルに見えるのだろうか。

今まで恋愛をしたことがない私は

彼氏というものがどんなものか全く想像がつかない。

もし、樹先輩が彼氏だったら…

樹先輩に、好きな人はいるのだろうか。

お兄ちゃんに私の気持ちを確信させられてから
私はそのことが頭から離れない。

樹先輩は私のことを特別っていったけど
その特別はどんな意味なのか。

樹先輩は彼女でもない女の子と恋人繋ぎするのかな。

特別ってなんだろう。

『先輩って大我先輩と仲良かったんですね』

樹「んー？まあ一年の時同じクラスだったからね」

沈黙が耐えられなくて出た言葉はこの言葉だった。

今は関係ないのに…

樹「でも意外だなぁ。あんなに人見知りで
　最初はビクビクしてた
　猫ちゃんがきょもには普通なんだもん」

『…それは私も不思議です。』

樹「俺以外に懐いちゃだめでしょ？」

『…懐いてなんか。』

少し唇を尖らせる先輩は
今まで見たことない子供のような表情で

また先輩の、知らない顔をひとつ知れた。

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