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北「遅かったね」
翔「やっときた」
ガチャリと屋上に入ると
やっぱりお兄ちゃんとしょったがいた。
北「あれ？Aジャージ…」
樹「あ、俺のやつ」
北「忘れたの？」
『忘れたの』
北「俺の貸したのに」
樹「俺の貸したから大丈夫」
ほんとはこの時間に借りようと思ってたんだけど。
樹「俺のって感じでいいじゃん？」
翔「独占欲〜」
北「ほんと罪な男だよ」
なんて呆れた声が聞こえる。
『洗って返しますね』
樹「いやいいよそのままで」
『いやでも…』
樹「北斗ぉ〜」
北「Aは意外と頑固だから聞かないぞ〜」
樹「お兄ちゃん！」
北「お前はお兄ちゃんって呼ぶなよ」
『ちゃんと洗いますからね』
樹「…わかったよ」
まだ腑に落ちない顔をしているけど
放っておいてご飯を食べ始める。
北「今日は委員会でしょ？」
『うん。だから少し遅いよ。お兄ちゃんは？』
北「俺も生徒会。迎え行くから一緒に帰ろ」
『わかった』
樹「俺も待ってる」
翔「きょもは？」
樹「今日はさっくんと帰るって」
先ほど聞いた名前と、聞き慣れない名前。
樹「そのうちきょももくんじゃね？大丈夫そ？」
翔「あー、いいの？北斗」
北「あぁ別にいいよ。」
やたらお兄ちゃんを気にする言葉が。
その、きょも？先輩とお兄ちゃんはなにかあったのかな。
北「A？はい、卵焼き」
『ありがと』
ぼーっとしてたら少し心配そうなお兄ちゃんが
また卵焼きをくれた。
そんな兄妹の姿にしょったと樹先輩はただ微笑んで見守るだけだった。
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作者名：みちょん | 作成日時：2021年5月25日 23時
