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．
『私、先輩のこと、すき、なの？』
北「うん。きっとね。」
『…』
北「あとは、Aの気持ち次第だよ。
一緒に居て楽しいのもそうだし
あとは、誰にも取られたくない。とか。」
『誰にもとられたくない…か…」
私以外の女の子と、先輩が出かける。とか…？
全く想像ができない。
その光景を見ていないから。
北「まぁ、ゆっくりでいいんじゃないかな」
兄ちゃん寂しいし、なんて横にピッタリとくっつくお兄ちゃん。
『…近いよ』
北「俺の可愛いAが、ねぇ〜。」
一回こうなっあお兄ちゃんはちょっとめんどくさい。
ポンって、頭をひと撫でしてキッチンに向かう、後ろ姿がやっぱり少し寂しげだった。
＿＿＿＿＿＿＿＿
翌日。
昨日の夜、先輩のことを考えていたら寝付けなくなってしまった。
まさかだけど、ちゃんとお家着いてるよね…？
連絡先をもっていないからその確認すらできなくて、気になってしまった。
寝れない割に、朝先輩と行くことを思い出して
いつもより少し早めに目覚ましをセットした。
ちょっとでも可愛いと思われたいし。
母「いつもより早いじゃない、おはよう」
『おはよう。早く起きちゃっただけだよ』
誤魔化しつつも、いつもより念入りに準備を進めた。
北「そろそろ行ってくるよ…って、A？」
『ん？あ、おはようお兄ちゃん』
北「…今日早くない？」
『たまたまだよ』
北「ふーん。じゃ行ってきます」
『いってらっしゃい』
母「いってらっしゃい、気をつけて」
納得いかない表情のまま家を出て行ったお兄ちゃん。
お兄ちゃんは気づいているんだろうな。
何事もなかったかのように私も家を出る準備をする。
母「あ、Aこれお願いしてもいい？」
『ん？』
母「北斗、あんなにしっかり準備したのにお弁当忘れたのよ。」
『…えっ』
母「だから、届けてあげてくれない？」
『…わかった』
なんで忘れたんだ、バカ兄貴。
母「じゃあお願いね」
『うん、行ってきます』
私の分とお兄ちゃんの分の弁当箱を入れて玄関を出る。
すると、門に寄りかかる先輩の後ろ姿が見えた。
後ろ髪、跳ねてる…。
その後ろ姿が、とてつもなく愛おしく感じた。
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作者名：みちょん | 作成日時：2021年5月25日 23時
