大魔王の妹３

二人きり ページ26

ルウ「よろしくね。」

「き、気をつけて運転するのでよろしくお願いします。」

次の日予定通り私がルハンオッパの送り迎えをする。

ルウ「Aちゃん緊張しすぎ。ちゃんとシートベルトするから大丈夫！」

「は、はい。」

多分緊張してるのは運転のせいだけではないんだけどな。

ルハンオッパが悪い人じゃないのはわかってるけど、やっぱりルイに重ねてしまうのはなんでなんだろう…。


「じゃ、出発しますね。」

ルウ「はーい。」

車を運転しながら、二人きりの車内はやっぱりなんだか気まずい。

お互い無言で沈黙がさらに気まずい。

ルウ「曲かけていい？」

「あ、はいどうぞ。」

ルハンオッパは携帯をいじると曲を流し始める。

「あ、マイケル…。」

ルウ「うん、Aちゃん好きなんでしょ？」

そう言えば前そんな話をしたな。

でも、その時ルハンオッパは会話に入ってなかった気がするけど聞いてたんだ…。

ルウ「俺有名な曲くらいしか知らなかったけど、Aちゃんが好きっていうから聞いてみたらハマっちゃった。」

「ですよね！マイケルはキングですからね！」

会話のきっかけができてちょっと安心する。


「そう言えば最近中国語の勉強を始めたんですけど難しいですね。」

ルウ「へえ〜。じゃあ、レッスンしてあげるよ！」

「レッスンですか？」

ルウ「そうそう今から俺がなんて言ってるか訳してみて？」

「いや、絶対無理です。まだニーハオとかのレベルですよ私。」

ルウ「ニーハオじゃない你好。ほら言ってみて。」

「えっと、你好。」

ルウ「そうそう！発音って大事だからね。」

「你好、你好、你好。」

教えてもらった事を忘れないように何回か繰り返して言う。

ルウ「じゃあ次ね〜。别躲避我目光、我绝不放弃去爱你。」

「いやいや…いきなり難易度高くないですか？全然わかわらないんですけど。なんて意味なんですか？」

ルウ「意味はね…。」

そう言うと黙るルハンオッパ。

それと同時に赤信号で止まる車。

「教えてくださいよ。私答えられませんよ。」

ルウ「うん、意味はね…。」

そう言ってまた黙るルハンオッパ。

なかなか答えを教えてくれない事がもどかしくて…と言うか若干イライラしながらルハンオッパの方を見ると、

ルウ「目をそらさないで、君を愛することは諦めないよ。」

ルハンオッパもこっちを見ていたようで、真顔でそう言われて固まってしまう。

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