4.協調性皆無 ページ7
「わからぬ。」
わからないんかい!!!!!!と俺は心の中で叫ぶ。しかしここにいる全員が思っただろう。
「この者からは魔力の波長が一切感じられない……色も、形も、一切の無である。
よって、どの寮にもふさわしくない!」
やっぱり、そう口にすると、生徒全員が驚いたような目で俺を見た。困惑。魔力の気配は普通にわかるものだと思っていたからだ。みんな焦っているのかも。
「もごもご…ぷはっ!だったらその席、オレ様に譲るんだゾ!」
「あっ待ちなさい!この狸!」
捕まえようとした手が空を切り、学園長の腕に抱えられていた狸くんが地面へと飛び降りてしまう。
一応警戒しておくか、と学生時代から愛用しているマジカルペンを手に握る。
「そこのニンゲンと違ってオレ様は魔法が使えるんだゾ!だから代わりにオレ様を学校に入れろ!
魔法ならとびっきりのを今見せてやるんだゾ!」
(…まずい。何か来る。)
「みんな伏せて!」
リドルくんがそう言った瞬間に炎が飛んでくる。(炎はさほど強くは無いが)咄嗟に水系統の魔法を空間全体へかけた。
「チッ…」
少し動揺した。中途半端にしか魔法が掛からなかった。その結果、カリムくんの尻に火が移り、地面が炎だらけになった。完璧にかけられていれば起こらなかった事だ。腕が鈍っている…
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作者名:ユウ | 作成日時:2023年7月2日 6時