名高き殺戮者は神に乞う (ページ5)

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第四話ページ5

「俺に天界についてと、罪の償い方についてを教えてほしいんだ。」

そう言うとスマイルは読んでいた本を近くにあった机においた。

「天界については教えてもいいが…。何故、罪の償い方を？」
「創世神に言われた。」
「ということはお前結構な大罪人なのか？」
「…そうだな。沢山殺した。だから創世神がお前は死ぬ以外の償いをしろって。」
「…そうか。」

スマイルは驚いたように目を見開いた後少し目を伏せてからこちらを見た。

「怖がらないんだな。お前も、創世神も。」
「…まぁ俺も似たようなもんだからな。」

その言葉に俺はびっくりする。

「え？じ、じゃあ、スマイルも人を沢山、殺したのか？」

「…詳しく言うと吸血鬼達を、だが。」
「、そっか…。」

スマイルもなんかあったんだな。

「…で？まず天界について教えてよ。」
「あぁ。ここが天界ってことは知ってるな？」
「…もちろんだな。」
「天界では何でもありえるんだ。ほら、ここに来るときに見ただろ？巨大な水の壁。」

魚が泳いでたあの壁のことか。

「うん。あれも神の力とかそういうもんなの？」
「そう。あれは海洋神、きんときの力なんだ。」
「いつも思うんだけど、創世神のnakamuとか海洋神のきんときとか不思議な名前ばっかりだな。」
「あ、そうだ。お前の名前なんなんだ？」

名前…。俺の、名前。

「…ないんだ。俺の名前。気づいたときには一人で、軍に拾われて育ったから。」

もう、その軍も潰れてなくなってしまったけど。

「そうか。じゃあ、つけてもらうか。」
「え？誰に…？」
「決まってるだろ。俺の主の海洋神、きんときだ。」

えぇ…海洋神に名前決められるの…？

「行くぞ。ついてこい。」
「え、いいの？」
「多分どうせ元から海洋神のところには行かせるつもりだろ、創世神は。」

そうだったのか。そういえばいろんな神を巡れって言ってたしな。ついてくか。
話し合ってるときにスマイルが敵ではないとわかったし。

「こっちから行くぞ。」

机をずらすスマイル。その下から階段が現れた。一応神様だから行くためには手順があるのかな。

「この下には下界で見れない生き物ばっかいるから、気をつけろよ。知らないやつには攻撃的な奴らが多いからな。…俺がいるから大丈夫だと思うが、初めは俺もめっちゃ睨まれた。」

まぁ睨まれるとか攻撃されるとかは慣れているから大丈夫だな。

「さぁ、行くぞ。」

スマイルと一緒に下に降りていった。