そしてこれから ページ47
「夢ちゃん、こんばんわ」
悟が屋根の上に登ってきた。
「悟、こんばんわ」
もう一つ変わったこと。
私と悟が、恋人になったのだ。
私の首と悟の首には、お互いお揃いのリングがかかっている。
「出張お疲れ様、」
「ありがと、あ、コレお土産の喜久福、」
「ありがとう、」
喜久福のずんだ生クリーム味の大福。
悟のお土産の定番だ。
「見てコレ、仙台のお城の跡地で撮った、紅葉、」
悟がスマホを見せてきた。
「ん？わあ、凄い綺麗だな、
ーー夏に七夕まつりに行った時の、
仙台城跡地から見渡した、仙台の夜景を思い出すな、」
そう、今年の夏、私たちは皆んなで、仙台七夕まつりに行ってきたのだ。
硝子さんや伊地知さん七海さん、
二年生のパンダ先輩たちも着て、賑やかなお出かけとなった。
悟も浴衣を着て来て、
いつもと違う悟に見惚れ、
ポーッと悟を見つめる私に、悟が手を差し出し、
「とても綺麗だね夢ちゃん、」
このままさらってしまいたいくらいだ、
なんて、どこのラブロマンス漫画かという甘いセリフを吐くものだから、
私は顔を真っ赤にする羽目になった。
すると、野薔薇や真希先輩が私の前に立ち、
「学生の間は健全なお付き合いをするんでしょ！」と、
ブブー！とイエローカードを悟に出したりした。
あはは、と私も悟も笑い、
初めての七夕祭りは、そんな楽しい思い出となった。
伏黒や虎杖が教えてくれたように、沢山の七夕飾りは、
色とりどりで様々なモノがあって、
それぞれの飾りに作った人たちの個性が現れていて面白くて。
虎杖の言う通り、毎年見に来ても飽きないな、と思えた。
七夕飾りがあるアーケード街を歩いていると、
やはりパンダ先輩はとても目立ち、
着ぐるみと思った子供たちが沢山寄ってきて、皆んなで笑っていた。
お祭りの後は仙台城の跡地がある青葉山に登り、
皆で山から見渡せる仙台の夜の街並みを一望し、
それがとても綺麗だったのを今でも覚えている。
皆が夜景に見惚れてる間、
悟がコッソリ、私にキスをしてきたりして、私は再び顔を真っ赤にした。
「ーーまた来年も行こうね、」
「うん、」
悟と手を重ね、
私は悟にもたれかかり、目を閉じ微笑んだ。
今の幸せを、噛み締めるように。
終わったのだ。全て。
私はまた、ここで、術師として、皆んなと学生生活を送っていく。
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翡翠に恋う - とても面白い作品ですね！続編お願いします‼︎ (12月27日 15時) (
レス) @page50 id: 8fc649d94d (このIDを非表示/違反報告)
日出 - 文才の塊みたいなお話でしたね…あ！続編やってください！<(_ _)> (9月11日 16時) (レス) @page50 id: e3c9ef0ceb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢楽 笑 | 作成日時：2023年6月10日 21時
